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国際会計基準(IAS)第1号「財務諸表の表示」に関連するIFRS解釈指針委員会に却下された論点の実務上の影響について、PwCグローバル・アカウンティング・コンサルティング・サービスのErnesto Mendezが検討します。


今あなたは何かの答えを探していますか?

もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。この新しいシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。初回はIAS第1号「財務諸表の表示」を扱います。

IAS第1号は、財務諸表の形式、順序および構成など、表示に関するすべてを扱っています。読者の最初の反応は、この領域に解釈の余地はほとんどないというものかもしれません。しかし、解釈の余地が「ない」というのは明らかに誤っています。IAS第1号に特化したNIFRIC(ICに却下された論点)は10件超あります。そのほとんどは、流動と非流動の分類に関連するものです。この記事は、流動対非流動に焦点を当てていますが、IAS第1号に関するすべてのNIFRICの一覧表(IASBの分類に基づく)を後ろに掲載しています。

流動と非流動の問題


正常営業循環期間(2005年6月)


ICは、企業の正常営業循環期間内に資産を決済することを見込んでいる場合に、その資産を流動として分類するというIAS第1号の要求事項は、企業が主たる営業循環期間を有している場合のみに適用されるのかについて検討を要請されました。この論点は特にコングロマリット(複合企業)に関連しますが、IAS第1号を狭義に解釈すると、12か月の循環期間をベースに流動として分類することを要求している可能性があります。

ICの見解は、正常営業循環期間に関する記載は単数と複数の双方で読むべきだというものです。企業が、循環期間が異なる複数の棚卸資産を保有している場合は、財務諸表利用者の理解に重要であれば、IAS第1号の要求に従い類似の項目を集約して分類を判断します。

転換可能金融商品(2006年11月)


ICは、転換可能融資の負債性要素の分類に関する検討を要請されました。この金融商品には2つの要素、すなわち、資本性要素(保有者の転換権)と負債性要素(発行者の現金を引き渡す義務)があります。負債性要素が、現金ではなく発行企業の株式で「支払われる」可能性がある場合、発行企業の貸借対照表でどのように分類すべきでしょうか。

負債性要素は非流動として表示するのが最善だと主張する人もいましたが、一方で、報告期間後少なくとも12か月にわたり決済を繰り延べる無条件の権利がないため、流動だと考える人もいました。負債の決済は、現金か他の資産の引き渡しかに限定されていません。

ICは、基準設定の対応が必要であると結論付けました。その結果、保有者が選択すれば資本性金融商品の発行により決済できるという負債の条件がある場合でも、分類には影響を与えないとする年次改善が公表されました。

「売買目的保有」デリバティブ(2007年5月)


ICは、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」に従って「売買目的保有」に分類されるデリバティブが流動と非流動のいずれに分類すべきかの検討を要請されました。このようなデリバティブは、報告日から1年より後に決済される可能性があります。IAS第39号は認識および測定について説明していますが、貸借対照表上の分類については説明していないため多様な意見がありました。売買目的保有の分類は測定目的のみであるという意見もあれば、売買目的保有に分類される金融負債は流動として表示しなければならないという意見もありました。

ICは、この論点をアジェンダに追加しないことを決定しましたが、その代わりに、IASBは、IAS第39号に基づき売買目的保有に分類される金融商品は常に流動への表示が要求されるという含意ある記載を削除することにより、IAS第1号を明確化しました。

繰上返済条項付き融資(2010年11月)


ICは、さらに、12か月内の返済は予定されていないものの貸手がいつでも繰上返済を要求できる負債の分類について検討を要請されました。ICは、企業が報告日時点において、負債の決済を報告期間後少なくとも12か月にわたり延期することができる無条件の権利を有していない場合、IAS第1号は当該融資を流動に分類することを要求しているという見解を示し、この論点をアジェンダに追加しませんでした。貸手はいつでも支払を要求する権利を有している場合には、決済を延期させる無条件の権利が存在しないからです。

IAS第1号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
営業および通常の活動(2003年2月)
ICは、営業活動および通常の活動について、どの項目を営業活動および通常の活動から除外すべきかに関する追加的なガイダンスが必要かどうかを議論した。最終的にこれらの文言は削除されたものの、損益計算書の表示は、業績報告に関する研究プロジェクトを通じて引き続きIASBで対処されている。
正常営業循環期間
(2005年6月)
ICは、主たる営業循環期間がない場合の資産(例:棚卸資産)の分類を検討した。ICは、循環期間が異なる複数の棚卸資産を企業が保有している場合、類似の項目を集約して分類を判断することを明確にした。詳しい解説は上記を参照のこと。
目論見書の比較情報
(2005年6月)
ICは、特定の法域の目論見書に関して認識された実務上の問題点に対応するため、比較情報の要求事項を検討した。ICは、この論点は、IAS第1号と規制当局の要求事項のアプローチの違いから生じたと考え、解釈によって解決できるものではないと結論付けた。
転換可能金融商品
(2006年11月)
ICは、転換可能融資の負債性要素の分類について検討を要請された。この要請の結果、保有者が選択すれば資本性金融商品の発行により決済できるという負債の条件は、分類には影響を与えないことを明確化するという年次改善が公表された。詳しい解説は上記を参照のこと。
「売買目的保有」
デリバティブ
(2007年5月)
ICは、「売買目的保有」デリバティブの分類について検討を要請された。IASBは、 売買目的保有として分類される金融商品は常に流動に分類するという含意ある記載を削除することにより、IAS第1号を明確化した。詳しい解説は上記を参照のこと。
継続企業の前提に関する開示
(2010年7月/2014年7月)
ICは、2度にわたり、継続企業の前提に関する重要な不確実性に関連する開示を検討した。ICは、2010年にこの論点を却下したが、2014年にIAS第1号を明確にすべきであると提案した。IASBは、IAS第1号の修正に反対する決定を行った。ICは最終的に、継続企業の前提に関する結論に重要な判断が伴う場合、IAS第1号における一般的な開示要求事項を検討すべきであると記載したアジェンダ却下通知を公表した。
奨励される開示と
強制される開示
(2010年9月)
ICは、開示が奨励されている(が強制ではない)全ての開示項目を見直し、それらが強制であることを確認するか、強制でない場合は削除するよう、IASBに提言した。IASBは、この論点は開示の原則に関する別個のプロジェクトの範囲に含まれているため、年次改善プロジェクトに追加しなかった。
繰上返済条項付き融資
(2010年11月)
ICは、貸手がいつでも融資の返済を要求する権利を有している場合、決済を延期する無条件の権利は存在しないため、当該融資を流動に分類しなければならないとする見解を示した。詳しい解説は上記を参照のこと。
所得以外を課税標準とする税金の表示
(2012年7月)
ICは、損益計算書における生産量ベースのロイヤルティ支払の表示を検討した。ICは、何が法人所得税の定義を満たすかは、関連する税規則が決定しており、ロイヤルティの支払いがIAS第12号の適用範囲に含まれない場合には法人所得税として表示すべきではないと指摘して、この論点を却下した。
IAS第1号の適用に関する論点
(2014年5月)
ICは、費用の機能別分類、追加の表示項目または表示欄、および重要性の適用を含む、IAS第1号の特定の要求事項の適用について明確化を要請された。ICは、この論点を却下したが、多くの項目は、2014年12月に公表されたIAS第1号に対する狭い範囲の修正で対処されている。

詳しい情報については、IASBのウェブサイトをご覧ください。
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