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国際会計基準(IAS)第37号に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスの Joanna Demetriou が検討します。
今あなたは何かの答えを探していますか?

もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点について定期的な検討を行っています。議論された論点のうち、解釈指針が作成される結果となるのは、非常に限られたものとなります。多くの論点は却下されますが、改善や狭い範囲の修正となるものもあります。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(IFRIC rejections:ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは成文化され(2002年以降)、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを基準書ごとに取り上げます。
今回はIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」を扱います。
ICは、IAS第37号についてほとんど議論していません。最近では、以下のアジェンダ決定が開発されました。
返却可能な容器の預り金
企業は、返却可能な容器に入れて製品を販売する場合があります。このような企業は、容器ごとに預り金を受け取り、容器の返却時にその預り金を返金することが義務付けられています。ICは、以下のような結論を下しました。
当初の販売取引の一部としてこの容器の認識が中止される場合、預り金の返金取引は、非金融資産と現金との交換になります。返金は、顧客の任意によるものであるため、IAS第32号「金融商品:表示」の範囲には含まれず、割戻負債としてIAS第37号の範囲に含まれます。
当初の販売取引の一部として容器の認識が中止されない場合、顧客の唯一の権利は返金に対する権利です。この場合は、IAS第32号の範囲に含まれます。
実務上のばらつきが重要である可能性は低いとみなされました。そのため、本論点はアジェンダに追加されませんでした。
排出権取引スキームから生じる負債の測定
ICは、IAS第37号を適用する場合、排出権取引から生じる負債の測定に各報告期間の末日現在の排出枠の現在価額を反映すべきかどうかの明確化を求める要望を受けました。これは、IFRIC第3号「排出権」(2005年6月に廃止)が要求していた基礎でした。
ICは、ICが扱うには範囲が広すぎると考え、この論点をアジェンダに追加しませんでした。
割引率に対する自己の信用リスクの組込み
ICは、IAS第37号における「負債に固有のリスク」は、負債の測定に用いられる割引率の調整から企業の自己の信用リスクを除外すべきであると示唆しているのかどうかについて、質問を受けました。
ICによると、自己の信用リスクは、負債に固有のリスクではなく企業固有のリスクとみなされるため、一般的な実務ではこれを除外しています。ICは、IAS第37号を置き換えるIASBのプロジェクトの一環として、この質問に対応するのが適切と結論づけ、この論点をアジェンダに追加しないことを決定しました。
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