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論点
IFRS解釈指針委員会(IC)は、2016年12月、外貨建取引に関する基準である国際会計基準(IAS)第21号「外国為替レート変動の影響」の適用時における取引日の決定に関して、IFRIC解釈指針第22号「外貨建取引と前払・前受対価」(IFRIC第22号)を公表しました。本解釈指針は、企業が外貨建の契約について対価の前払または前受を行う場合に適用されるものです。
関連する資産、費用または収益の当初認識に用いるべき外国為替レートは、取引日により決定されます。本解釈指針の論点は、IAS第21号が企業に対して外国為替レートの決定を要求している「取引日」が、取引がIFRSに従って初めて認識の要件を満たす日と定義されていることから生じています。論点とされたのは、取引日とは資産、費用または収益が当初認識された日なのか、それとも対価の前払または前受がある場合にはその日(前払金または繰延収益が認識された日)なのか、という点です。
本解釈指針の提供するガイダンスには、単一の前払または前受が行われる場合に加えて、複数回の支払または受領が行われる場合も含まれています。 また、このガイダンスは実務上の多様性を低減することを目的としています。
主な規定
単一の前払または前受
本解釈指針は、関連する資産、費用または収益の当初認識に用いる外国為替レート決定の目的上、取引日とは、前払・前受対価から発生する非貨幣性の資産または負債を企業が初めて認識する日でなければならないと述べています。
設例-
単一の
前受
サプライヤー企業が20X1年1月1日に顧客と契約を締結し、同日に対価CU50(外貨)を全額前受する。20X1年3月31日に商品を引き渡し、収益が認識される。
本解釈指針は以下を要求している。
  • サプライヤー企業は、20X1年1月1日にCU50を当該時点の外国為替レートで換算し、非貨幣性の契約負債を認識する。
  • サプライヤー企業は、20X1年3月31日(すなわち、商品が顧客に移転する日)に収益を認識する。サプライヤー企業は非貨幣性の契約負債の認識を中止する。収益は、CU50を取引日である20X1年1月1日の外国為替レートを用いて換算し、機能通貨で認識する。この場合、収益の金額は、認識が中止される非貨幣性の契約負債の金額と同じである。

複数回の受領または支払
本解釈指針は、関連する資産、費用または収益の認識に先立ち複数回の支払または受領が発生する場合、企業は各支払または受領について取引日を決定しなければならないと述べています。
本解釈指針に付随する設例は、複数回の受領または支払に関し、以下の場合についてのガイダンスを提供しています。
  • 収益が一時点で認識される場合
  • サービスが一定の期間にわたって購入される場合
  • 収益が複数の時点で認識される場合
設例-
複数回の
受領を伴う、一時点で認識される収益
サプライヤー企業が20X1年1月1日に顧客に商品を引き渡す契約を締結し、合計対価CU50(外貨)のうち、同日に対価CU20(外貨)を前受する。20X1年3月31日に商品を引き渡し、収益が認識される。CU30(外貨)は20X1年4月1日に受領し、購入対価の決済は完了となる。
本解釈指針は以下を要求している。
  • サプライヤー企業は、20X1年1月1日にCU20を当該時点の外国為替レートで換算し、非貨幣性の契約負債を認識する。
  • サプライヤー企業は、20X1年3月31日(すなわち、商品が顧客に移転する日)に収益を認識する。
  • 20X1年3月31日、サプライヤー企業は、
    • 非貨幣性の契約負債CU20の認識を中止し、収益CU20を同じ外国為替レート(すなわち、20X1年1月1日の外国為替レート)で換算し、認識する。
    • 残りのCU30に関する収益および営業債権を20X1年3月31日の外国為替レートで換算し、認識する。

  • CU30の営業債権は貨幣性項目であるため、当該債権の決済が行われるまで決算日レートで換算替えしなければならない。

影響
本解釈指針は、対価が前払または前受される外貨建取引を行う全ての企業に影響を与えることになります。多額の前払を伴う、国境を超える/外貨建の長期契約を締結する企業が、最も重大な影響を受けると見込まれています。このような契約は、建設業界においてよく見られるもので、サプライヤーとその顧客(例、海運会社や航空会社など)の両方に影響を及ぼすことになるでしょう。
発効日および経過措置
本修正は2018年1月1日以後に開始する事業年度から適用となりますが、早期適用も認められます。企業は、本解釈指針の適用について、以下の方法を選択することが可能です。
  • 表示される各期間に対して遡及的に適用する。
  • 本解釈指針の範囲に含まれる資産、費用または収益で、本解釈指針が初めて適用される報告期間の期首以降に当初認識されたものに対して、将来に向かって適用する。
  • 比較情報として表示される過去の報告期間の期首以降に当初認識されたものに対して、将来に向かって適用する。
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