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国際会計基準(IAS)第7号「キャッシュ・フロー計算書」の狭い範囲の修正に関する最新情報と、どのようにすれば企業は新たな開示要求事項を満たすことができるかについて、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスのJohn Chanが解説します。


借入は、ほぼすべての企業および事業においてその主要部分を構成しています。借入の変動に関する情報は、財務諸表利用者による企業の財務健全性の評価に役に立ちます。

IAS第7号および国際財務報告基準(IFRS)第7号がいくつかの開示を要求しているにもかかわらず、財務諸表利用者は、複数期間にわたる借入の変動の理解は困難なままであると述べています。国際会計基準審議会(IASB)は、このような懸念に対処するため、開示に関する取組みの一環として、IAS第7号を修正しました。

どのような追加開示が要求されているか


目的および適用範囲


改訂された開示の目的は、財務諸表利用者による借入の変動の評価に役立つことです。
IFRSでは借入および「純債務」のどちらも定義されていないことから、IASBは、これらの開示を財務活動から生じる負債に適用することを求めています。

開示要求事項は、次の項目にも適用されます。
  • 財務活動から生じる金融資産(例:長期借入をヘッジするデリバティブ資産)
  • その他の資産および負債。企業は、他の区分に含められる可能性のある他の資産および負債についても、それが開示目的に合致することになる場合には、キャッシュ・フロー計算書に含めなければなりません。(例:営業活動として分類される現金及び現金同等物や利息支払)
要求される開示


企業は、キャッシュ・フローおよび非資金取引(例:取得、処分、および為替差額)による上記の項目の変動を開示しなければなりません。

開示の書式


当修正は特定書式の使用を義務付けていないため、経営者は企業の状況に応じてその目的を最もよく達成する開示を検討しなければなりません。以下のとおり、開示の目的を満たすさまざまな方法があります。

開示例


調整表


当修正は、上記項目の期首残高と期末残高の調整表が開示要求事項を満たすであろうと提示しています。企業が開示すべきいくつかの異なる項目を有している場合、または、非資金変動がさまざまな取引や事象から生じる場合には、この調整表が開示目的を満たす最善の方法となる場合があります。表形式の調整表は、次のようなものが考えられます。
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(1)
当修正は、調整表と貸借対照表およびキャッシュ・フロー計算書に表示される残高および金額との関連性を説明することを要求しています。経営者は、開示をどの程度詳細にするかを決定する際に、貸借対照表および開示目的を考慮しなければなりません。
(2)
当修正は、財務活動に分類される資産および負債の変動と、その他の区分に含められるその他の資産および負債の変動の区分開示を要求しています。
(3)
この開示例では、銀行の当座借越は要求払債務であり、企業の資金管理の不可欠な一部となっていることを想定しています。

説明による記述


開示すべき項目がほとんどない場合、または限定的な非資金変動しかない場合には、次の例のような説明による開示が適切である場合もあります。
20x7年12月31日に終了した事業年度における、銀行からの長期借入金に関する非資金変動は、未実現の外国為替差損益から生じた合計300万米ドルでした。

その他の所見


一部の財務諸表作成者は、自国のガイダンスに従って、または任意で、すでに同様の開示を行っている場合があります。しかし、そのような既存の開示は当修正による要求事項に完全に一致していない場合があるため、経営者は、開示に含まれる項目の網羅性、その他の資産および負債の適切な区分、ならびに貸借対照表およびキャッシュ・フロー計算書との関連性を検証しなければなりません。

発効日および経過措置


当修正は、2017年1月1日以後開始する事業年度より適用されます。早期適用も認められています。なお、企業が当修正を初めて適用する場合、過去の期間に関する比較情報の開示は求められていません。

影響を受ける企業


当修正は、IFRSの財務諸表を作成するすべての企業に影響を与えます。ただし、要求される情報は容易に入手可能なはずです。財務諸表作成者は、財務活動から生じる負債の変動を説明する追加的な情報を表示する最善の方法を検討しなければなりません。
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