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要点

FASBは、繰上償還可能な負債性証券のプレミアムの会計処理を修正する公開草案を公表しました。これにより、プレミアムは、最も早い償還日までの期間にわたって償却することが要求されるようになります。

最新の動向


米国財務会計基準審議会(FASB)は、2016年9月22日、会計基準アップデート(ASU)案「受取債権-払戻不能の手数料及びその他の費用(Subtopic 310-20);購入した繰上償還可能な負債性証券のプレミアムの償却」を公表しました。本ASU案では、繰上償還可能な負債性証券のプレミアム(割増価格)を最も早い償還日までの期間にわたって償却することが要求されます。なお、ディスカウント(割引価格)で購入した繰上償還可能な負債性証券の償却期間は、本ASU案の影響を受けません。

現行の米国会計基準(US GAAP)の下では、繰上償還可能な負債性証券のプレミアムは、通常、当該負債性証券の契約上の存続期間にわたって償却されます。ただし、企業が大量の類似する有価証券を保有している場合に限り、元本部分の期限前償還の見積りを考慮することが認められています。また、発行企業が満期前にコール条項を行使した場合には、金融商品の契約上の存続期間にわたってプレミアムを償却することによって償却されていないプレミアムに関する損失が計上されることになる可能性があります。

現在の市場金利が負債性証券の表面利率を下回る場合、繰上償還可能な負債性証券はプレミアムで取引されることが多く、また、その場合に市場参加者は最も早い償還日にコール条項が行使されるものと考えていることがよくあります。本ASU案は、企業に対して、購入した繰上償還可能な負債性証券のプレミアムについて当該負債性証券と同じ期間にわたって償却することを要求し、利息収益の認識と市場参加者による当該金融商品の価格の決定方法とがさらに整合することになります。

当該負債性証券が最も早い償還日に償還されない場合、保有者は当該負債性証券が求める支払条件に基づいて当該負債性証券の実効利回りを再設定することが求められます。

なぜ重要か


本ASU案は、繰上償還可能な負債性証券をプレミアムで購入しているすべての企業に影響します。リテール・バンクや商業銀行および保険会社などの特定の金融機関が最も大きな影響を受ける可能性が高いでしょう。企業は、繰上償還可能な負債性証券のプレミアムを最初の償還日までの期間にわたって償却するために会計システムをアップデートする必要がある一方で、繰上償還可能な負債性証券のディスカウントについては、引き続き契約上の満期日までの期間にわたって償却します。

次のステップ


本ASU案に対するコメント募集期限は2016年11月28日です。利害関係者は本ASU案に対するコメントの提出を推奨されています。移行方法は、本基準を適用する最初の報告期間の期首利益剰余金に対する累積的影響額の調整(修正遡及アプローチ)を要求するものとなります。発効日および早期適用が認められるかどうかについては、FASBによる利害関係者からのフィードバックの検討後に決定される予定です。
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