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2023/05/15 ISSBの提案するSASBスタンダードの国際的な適用可能性【速報解説】
公表日: 2023年05月15日
jp 速報解説（In brief）
⇒原文（英語）はこちらへ
要点
- 国際サステナビリティ基準審議会（ISSB）は最近、公開草案「SASB®スタンダードの国際的な適用可能性を向上させるための方法論及びSASBスタンダード・タクソノミのアップデート」を公表しました。
- ISSBは、SASBスタンダードの国際的な適用可能性を高めるために提案した方法論についてコメントを募集しています。
- コメント提出期限は2023年8月9日（水）です。
論点
現在はIFRS財団の一部であるSASBは、長年にわたり、70を超える業種に焦点を当てたサステナビリティ報告基準を公表してきました。国際財務報告基準（IFRS） S1号 「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」では、作成者に対し、サステナビリティ関連のリスクおよび機会を識別し関連する開示を策定する際に、関連するIFRSサステナビリティ開示基準がない場合には、SASBスタンダードを参照および考慮することが要求される予定となっています。SASBスタンダードが国際的に注目されている結果として、ISSBが当該スタンダードをアップデートする責任を引き受けています。
SASBスタンダードは、法律および規則を開示の源泉としていることが多く、主に米国の法律や規制が用いられています。そのため、SASBスタンダードにおける指標の20%が、その適用範囲、方法または母数の定義に、法域固有の参照を含んでいることをISSBが識別したのは驚くことではありません。
SASBスタンダードをアップデートするために、この方法論の公開草案において、ISSBは、国際的な適用可能性の向上を目的とするSASBスタンダードの気候関連以外の指標の修正について、次の5つのアプローチを提案しています。
a．基準、定義または算定方法について、利用可能な国際的に適用できる参照を代わりに用いた上で、法域固有の参照を置き換える。
b．基準、定義または計算プロセスについてのより一般化された参照を提供した上で、法域固有の参照を置き換える。
c．一般化された法域の参照を採用して適用可能な法域の法律、規則、方法論またはガイダンスを作成者が用いることができるようにした上で、法域固有の参照を置き換える。
d．限定的な場合において、国際的な適用にふさわしくない開示の指標または特定の法域外では国際的に同等なものが識別されない開示の指標を削除する。
e．一般目的財務報告書の利用者のニーズを満たすため、開示トピックの完全性 （integrity）を維持するための関連性のある置換えが識別できる場合には、法域固有の指標を削除し置き換える。これは、リサーチに基づいてできる限り当初の指標の意図と整合させる。
SASBスタンダードにおける気候関連指標は、IFRS S2号「気候関連開示」の付録B（産業別開示要求）に記載されています。
また、本公開草案には、SASBスタンダードの国際的な適用可能性を高めるための修正案を反映させるために、SASBスタンダート・タクソノミをアップデートする提案が含まれています。
どのような影響があるか
ISSBは、改定された指標の使用により、企業が所在する法域や適用する一般的に認められた会計原則（GAAP）にかかわらず、企業はSASBスタンダードを適用できるようになると述べています。また、IFRSサステナビリティ基準の発効までに業種別ガイダンスを提供できるよう、SASBスタンダートをアップデートすることを目的としています。
ISSBが寄せられたコメントの検討を行った後、IFRS S1号の導入および適用を促進するため、IFRS財団はSASBスタンダードおよびSASBスタンダード・タクソノミの特定項目を対象とした修正を公表する予定です。
コメント募集期限はいつか
現在、IFRS財団® のウェブサイトで本コンサルテーションに対する意見募集を行っており、コメント期限は2023年8月9日となっています。
PricewaterhouseCoopers LLP
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