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国際財務報告基準(IFRS)第9号における予想信用損失について、PwCの金融商品担当のディレクター、Emma Edelshainが解説します。
予想信用損失(ECL)は、会計の分野において最近よく聞かれる言葉です。この言葉が何を意味するのか、そしてその算定方法を知っていますか?IFRS第9号は、最低12か月のECLの計上を要求しており、信用リスクの著しい増大がある場合には、企業は全期間のECLを認識しなければなりません。今回のコラムでは、12か月間のECL、全期間の長さ、および信用補完がECLの算定においてどのように考慮されるのかについて解説します。

12か月のECLとは何か
12か月のECLとは、報告日後12か月以内に生じうる債務不履行(デフォルト)から生じるECLです。ECLは、今後12か月間に損失が発生する確率で加重した、資産に関する全体的な信用損失を考慮したものです。
債務不履行となった金融商品が回収可能となった後に、再度債務不履行となる可能性があります。後に発生した債務不履行が当初の債務不履行と関連している場合には同じ事象であるとみなし、ECL算定において考慮しなければなりません。
全期間のECLを測定するための「存続期間」とは何か
IFRS第9号は、全期間のECLを貸手が信用リスクに晒される最長の契約期間であると定義しているため、全期間とは契約期間または契約期間よりも短い期間となります。以下の要因が貸手の信用リスク・エクスポージャーに影響を与えます。
  • 貸手が解約権を有しているかどうか: 例えば、ある住宅ローンの最長の契約期間は20年であるが、銀行は6か月ごとに住宅ローンを解約できる権利を有しているとする。ECLの測定期間は、銀行の権利が実質的なものである場合には6か月間となる。しかし、現地の規制が存在し、実務上銀行は借手を立ち退かせることができないため、銀行は融資を解約できないということを意味する場合は銀行の権利は実質的なものではなく、ECLは最長の契約期間である20年にわたり測定されることになる。
  • 債務者が期限前償還オプションを有しているかどうか: 例えば、住宅ローンは20年から30年の契約期間を有することが多いが、実務上は大部分の債務者がそれよりも前に返済することが見込まれている。したがって、存続期間には期限前償還オプションおよびそれらの実行時期の予測を組み込む必要がある。これは、住宅ローンのグループを異なる時期に予想される期限前償還日を有する同種の住宅ローン群に区分することにより行われることが多い。
信用補完はどのように考慮するのか
ECLの算定に関するキャッシュ不足額を計算する際には、キャッシュ・インフローを考慮しなければなりません。キャッシュ・インフローには、それらが契約の不可欠な一部であり、かつすでに会計処理しているものではない限り、担保、金融保証およびその他の信用補完が含まれます。
「契約の不可分の一部」という用語は幅広く解釈されるべきであり、すなわち、単に契約において明示的に参照された項目のみに関連しているのではなく、現地の規制および(または)法制において予見される項目にも関連しています。契約開始後に取得した信用補完は「契約の不可分の一部」に含まれません。契約開始後に取得した信用補完は独立した契約とみなし、区分して会計処理しなければなりません。
これは、実務上は主に表示に関する論点です。信用補完がECL算定の一部として考慮されない場合には、独立の金融資産とみなされることになります。その影響は損益計算書上においては中立的ですが、貸借対照表上には総額で表示されることになります。
次のステップ
連載コラム「IFRS第9号『金融商品』の疑問に答える-“減損”」は今回が最終回です。次の連載コラムでは、IFRS第9号が一般企業にどのような影響を与えるのかに焦点を当てます。
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