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ファクタリングが債権の測定にどのような影響を与える可能性があるかについて、PwCの金融商品の専門家であるHolger Meurerが解説します。
IFRS第9号に基づく金融資産の分類および測定は、以下の2つの要件に基づいて決定されます。
  • 企業が資産を保有する事業モデル(事業モデル・テスト)
  • 資産から生じるキャッシュ・フロー(SPPIテスト、すなわち金融資産から元本および元本残高に対する利息の支払のみのキャッシュ・フローが生じるかどうかのテスト)
本稿では、上記の1つ目の要件について詳しく検討します。
事業モデル・テスト
事業モデル・テストは、SPPIテストの要件を満たした金融資産の分類を決定します。
IFRS第9号は、次の3つの異なる事業モデルの区分を設けています。
  • 回収のために保有する事業モデル―企業は、契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で金融資産を保有している
  • 回収および売却のために保有する事業モデル―企業は、契約上のキャッシュ・フローの売却と回収の両方のために金融資産を保有している
  • 売却のために保有する事業モデル―企業は、満期前に売却する意図をもって金融資産を保有している
事業モデル・テストの結果に応じて、以下の会計処理が行われます。

事業モデルの判定は、実務上、困難になる可能性があります。企業は、過去の売却活動の頻度、売却の時期および価額、売却の理由ならびに将来の売却活動の予想などを含む、さまざまな要素を考慮する必要があります。
ファクタリング
企業はしばしば、第三者に債権を売却し、金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するファクタリング契約を締結します。ファクタリング契約は、債権を保有する事業モデルに影響を与えます。
この場合の事業モデルは、「回収のために保有する」ではなく、債権が通常どのように売却されているかに基づいて、「回収および売却のために保有する」または「売却のために保有する」のいずれかとなります。どちらの事業モデルの場合も、債権は、公正価値で測定しなければなりません。
実務上のアドバイス
企業が債権の一部のみ(例えば、特定の顧客に対する債権のみ)をファクタリングする場合には、債権のポートフォリオを分割することが可能な場合があります。
ファクタリングされる債権を含むサブポートフォリオの事業モデルは、「売却のために保有する」になります。残りの債権を含むサブポートフォリオの事業モデルは、「回収のために保有する」になります。

結論
IFRS第9号に基づく金融資産の分類および測定は、資産から生じるキャッシュ・フロー、および金融資産が保有されている事業モデルに基づいて行われます。債権のファクタリングは、事業モデルの評価に影響を与え、公正価値による測定をもたらす可能性があります。
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