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国際会計基準(IAS)第7号「キャッシュ・フロー計算書」に関連するIFRS解釈指針委員会に却下された論点の実務上の影響について、PwCグローバル・アカウンティング・コンサルティング・サービスのNitassha Somaiが検討します。


今あなたは何かの答えを探していますか?

もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。今回はIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」を扱います。

「現金は王様である(cash is king)」という表現があります。財務諸表利用者はこの表現に忠実で、企業の現金生成能力と同様に現金をどのように使ったかを重視し続けています。キャッシュ・フロー計算書は、基準設定者によってこの情報を伝達するために設計されたツールで、キャッシュ・フローを営業活動、投資活動、および財務活動に区分します。

理論的には、キャッシュ・フロー計算書の作成は過度に複雑なものではありません。現金の増減は、受け取った現金と支払った現金を調整する単純な計算式となるはずです。それでも、発生主義のフレームワークにおいては、複雑性が生じてしまいます。今日までに、IAS第7号について4つのNIFRICsがありました。

キャッシュ・フロー計算書における分類


付加価値税(2005年8月)


ICは、キャッシュ・フローは付加価値税(VAT)を含めた金額またはVATを除いた金額のいずれで開示すべきかについての検討を要請されました。ICはIAS第7号がVATの取扱いに対処していないことを認識しましたが、企業はキャッシュ・フローの総額について、VATを含む金額あるいはVATを除いた金額のどちらで表示しているかを開示することが適切であろうと指摘しました。

ICは、異なる実務が発生する可能性はあるが、この論点が広範囲に及ぶ見込みはないと結論づけました。PwCの見解では、売上税が回収可能である場合、キャッシュ・フローは税抜価格で表示すべきであると考えます。反対に、企業が負担した売上税が回収不能である場合、キャッシュ・フローは総額で表示すべきと考えます。

支出の分類(2008年3月)


ICは、キャッシュ・フロー計算書における支出の分類、特に、適用される基準に従って資産または費用として認識される可能性のある支出(例えば、探査および評価活動や広告および販促活動に関する支出)の分類の検討を要請されました。資産の認識の要件を満たさない費用に関する実務には多様性があり、このような費用のキャッシュ・フローを営業活動に含める企業もあれば、投資活動に含める企業もありました。

ICは、IASBに提言を行い、その後、IAS第7号が修正されて、資産が認識される結果となる支出のみが投資活動に分類されると明記されました。

現金及び現金同等物の定義


マネー・マーケット・ファンドの分類(2009年7月)


ICは、容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わないマネー・マーケット・ファンドへの投資は現金同等物に該当するかどうかの検討を要請されました。

ICは、現金同等物の保有目的は、短期の現金支払債務に対応するためである点を指摘しました。この点を評価する際に重要な検討事項は、現金同等物は「一定の金額に換金可能」であり、かつ「価値の変動について僅少なリスクしか負わない」ものであるべきだということです。最初の検討事項は、現金の受取予定額は当初の投資時点で既知でなければならないことを意味しています。マネー・マーケット・ファンドの構成単位は活発な市場において市場価格でいつでも換金することができるので、当該構成単位を単純に現金同等物とみなすことはできません。また、投資が現金同等物と分類されるために、当該投資が価値の変動について僅少なリスクしか負わないという要件を満たさなければならないでしょう。当初の投資時点で、将来の価値の変動リスクが僅少であるということです。

この評価に対して考え得るアプローチには、ファンドに対する投資が現金及び現金同等物に関するすべての要求事項を必ず満たすようにするという厳しいファンド管理方針が含まれます。このような投資には、信用度が最も高いか、流動性の高い短期の金融商品に対する投資が含まれる可能性があります。また別のアプローチとして、すべての投資が現金及び現金同等物の要件を個別に満たすかどうかをはっきりさせるために、すべてのファンドについて確認することが考えられます。

ICは、IAS第7号のガイダンスは適切であり、このような金融商品の保有目的および要件の充足はその契約条件から明らかであることから、実務上の重要な多様性は生じないものと予測しました。

現金同等物の識別(2013年5月)


ICは、貸借対照表日時点における満期までの残り期間に基づいて投資を現金同等物として分類することが、当初の投資の満期日に焦点を当てる方法に対して、より首尾一貫性の高い分類につながるかどうかの検討を要請されました。

ICは、投資が現金同等物に該当するためには、容易に一定の金額に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わないものでなくてはならない点を指摘しました。したがって、投資は、通常、取得日から3か月以内など、満期までの期間が短い場合にのみ現金同等物に該当します。ICは、この3か月という仮定は、現金同等物の分類において企業間の首尾一貫性を促すものであると認めました。したがって、既存のガイダンスを鑑みて、IAS第7号の解釈指針や修正は必要ないと結論付けました。ICは、実務上の重要な多様性は生じないものと予測しました。

IAS第7号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
付加価値税(VAT)
(2005年8月)
ICは、キャッシュ・フローはVATを含めた金額またはVATを除いた金額のいずれで開示すべきかの検討を要請された。ICは、キャッシュ・フローはVATを含む金額またはVATを除いた金額のいずれでも表示可能であるが、企業は採用したアプローチを開示することが適切であろうと結論づけた。
支出の分類
(2008年3月)
ICは、キャッシュ・フロー計算書における支出の分類の検討を要請された。この論点はIASBに付託された後、IAS第7号が修正され、資産が認識される結果となる支出のみを投資活動に表示すべきである旨が明記された。
マネー・マーケット・ファンドに対する投資(2009年5月)
ICは、いつでも償還可能な投資は現金同等物の定義を満たすかどうかの検討を要請された。ICは、一定の金額に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない場合には、そのような投資が現金同等物の定義に該当する可能性があると結論づけた。
現金同等物の識別
(2013年5月)
ICは、投資の満期日までの残り期間に基づく分類は、より首尾一貫性の高い投資の分類となるかどうかの検討を要請された。ICは、既存のガイダンスに鑑みてこの論点をアジェンダに追加せず、投資は取得日から満期日までの期間に基づいて分類すべきであることを確認した。
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