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IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化され、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICに「却下された」論点について知っておくべきことを基準書ごとに取り上げます。今回はIAS第12号「法人所得税」を扱います。 |
トピック | 結論の要旨 |
資産の再評価 (2002年2月) | 資産の公正価値の変動により将来加算一時差異と繰延税金負債が生じるかどうかに関し、IAS第12号は十分なガイダンスを提供しているとして、この論点はアジェンダに追加されなかった。 |
実効税率 (2002年2月) | 収益の一部が免税であることなどにより実効税率が低くなっている企業が使用すべき実効税率に関し、IAS第12号は十分なガイダンスを提供しているとして、この論点はアジェンダに追加されなかった。 |
非減価償却資産 /減価償却資産 (2002年8月) | ファイナンス・リースに基づいて保有されている投資不動産2に係る繰延税金資産または繰延税金負債の計算に用いられる税率に関し、SIC第21号1、IAS第16号「有形固定資産」、およびIAS第12号が適切なガイダンスを提供しているとして、この論点はアジェンダに追加されなかった。 |
利益分配に係る繰延税金3 (2003年2月) | ICは、企業が資本性金融商品の認識時に繰延税金資産を認識すべきか否か、法人所得税に関する税務上の便益は収益あるいは資本のどちらで認識すべきかについて検討した。2003年4月、IASBは、配当による税務上の帰結は配当の支払負債が認識される時点で認識されることを再確認した。 |
連結納税制度の会計処理3 (2003年4月) | この論点は、100%保有の子会社が連結納税グループを離脱する際の税金資産および税金負債の認識および測定に関するものである。ICは、この論点は個別財務諸表のみに関連し、税法が各法域において異なることを考慮すると首尾一貫して適用することが可能なガイダンスの提供は困難となることに留意し、この論点をアジェンダに追加しなかった。 |
未払当期税金の割引 (2004年6月) | この論点はアジェンダに追加されなかったが、ICは、割引の効果が重要である場合には、未払当期税金を割引かなければならないことに留意した。したがって、上記において述べられた理由により、会計方針の選択が存在する。 |
利息および課徴金の分類 (2004年6月) | IAS第12号およびIAS第1号の開示要求事項は、税金債務の未納から発生する利息および課徴金について、十分な透明性を提供している。 |
税務上の欠損金および 税額控除の繰越し (2005年6月) | ICは、税務上の欠損金および税額控除の繰越しから生じる繰延税金資産の認識に関し、一般的にその総額の一部に対して発生可能性要件が適用されることに同意した。 |
ファイナンス・リースに関連する繰延税金 (2005年6月) | この論点は、まさにIASB/FASBのコンバージェンスプロジェクト4の範囲に含まれる内容であったため、アジェンダに追加されなかった。 |
償却していない無形資産 (2005年8月) | この論点は、IASB/FASBのコンバージェンスプロジェクト4の範囲に含まれる内容であるため、アジェンダに追加されなかった。また、ICは、SIC第21号1の範囲は限定されており、この特定の論点に対応していないことに留意した。 |
単一資産法人 (2005年11月) | この論点は、IASB/FASBのコンバージェンスプロジェクト4で取り上げられている内容であったため、アジェンダに追加されなかった。 |
法人所得税の範囲 (2005年12月および2006年3月) | 税金がIAS第12号の範囲に含まれるために、会計上の利益そのものの値を基礎とする必要はない。「課税所得(taxable profit)」という用語は、総額ではなく純額であるという見解を示すものである。 |
本国に未送金の国外支店の収益 (2007年7月) | 子会社、支店、関連会社および共同支配企業に対する投資に関連する一時差異に係る繰延税金負債の認識は、IASB/FASBのコンバージェンスプロジェクト4で取り上げられている内容であったため、アジェンダに追加されなかった。 |
輸送会社による従量税の分類 (2009年5月) | 法人所得税は、総収入額ではなく、純利益の測定値を基礎とする税金である。従量税は、営業の成果の総測定額を基礎とする税金である。この論点は、ICがIAS第12号はこの点に関して明確であるとの結論を下したため、アジェンダに追加されなかった。 |
回収方法を決定するための反証可能な推定 (2011年11月) | 公正価値で測定される投資不動産の帳簿価額は売却を通じて回収されるという推定は、IAS第12号第51C項に記載の事例以外の場合においても、十分な証拠が入手可能であれば反証可能である。 |
新しい租税制度によってもたらされた市場価格の上昇の会計処理 (2012年7月) | ICは、税法改正による市場価格の上昇は、関連する資産の「税務基準額」を調整し、将来減算一時差異を発生させることに留意した。繰延税金資産は、IAS第12号第24項の認識要件を満たす範囲において、認識しなければならない。 |
内部的な再編がのれんに関連する繰延税金の金額に与える影響 (2014年5月) | 連結グループ内での会計上ののれんの移転は、当初認識の例外に該当しない。なぜなら、当該資産は連結財務諸表上で以前から存在していたからである。ICは、IFRSの既存の要求事項およびガイダンスは十分であるとの結論を下した。 |
企業に損失が生じている場合の繰延税金資産の認識および測定 (2014年5月) | 将来の税務上の欠損金の発生に関する企業の予測にかかわりなく、適切な期間に既存の将来加算一時差異の解消が見込まれる範囲で(すべての制約を考慮した上で)、未使用の税務上の繰越欠損金について繰延税金資産が認識される。ICは、解釈指針も基準の修正も不要であるとの結論を下した。 |
不確実な税務ポジションに係る当期法人所得税の認識 (2014年7月) | IAS第37号ではなく、IAS第12号が認識に関して関連性のあるガイダンスを提供している。ICは、既存のガイダンスで十分であることに留意した5。 |
単一資産法人(corporate wrapper)の単一資産に関する繰延税金の認識 (2014年7月) | IAS第12号は、企業に対し、単一資産法人の資産への投資から生じる、「投資先内部に係る一時差異(インサイド・ベーシス差異)」および「投資に係る一時差異(アウトサイド・ベーシス差異)」の両方を認識することを求めている。ICは、内容が広範囲にわたるものであることを理由に、この論点をアジェンダとして取り扱わないと決定したが、IASBに対して法人所得税に関するリサーチ・プロジェクトにおいてこれらの懸念の分析と評価を行うべきであると提言した。 |
関連会社への投資に関連する繰延税金の測定に用いる税率 (2015年3月) | 一時差異の一部は配当として受け取られ、別の部分については売却または清算による回収が見込まれている場合、予想される回収の方法と整合させるため、一時差異の各部分に異なる税率が適用されることになる。 |
PricewaterhouseCoopers LLP
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