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国際会計基準(IAS)第16号「有形固定資産」に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスのTatiana Geykhmanが検討します。


今あなたは何かの答えを探していますか?
もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。今回はIAS第16号「有形固定資産」を扱います。

IAS第16号は有形固定資産の認識、測定および開示を扱っています。IAS第16号に関する9つの事項のアジェンダへの掲載がICによって却下されてきました。

減価償却


許容可能な減価償却の方法について、多数の論点がICに提出されました。

生産高比例法(2004年5月)


ICは、いわゆる生産高比例法について検討しました。この方法が適用され得る例として、時とともに使用の増加が見込まれる道路の使用があります。ICは、資産の便益が使用を通じて直接消費されるのではない場合にもこの方法を適用可能かどうかについて検討しましたが、この論点を却下し、判断をIASBに委ねました。生産高比例法では、予想される使用や生産高に応じて費用が計上されることになります。生産高比例法は、この方法が資産に具現化された将来の経済的便益の予想される消費のパターンを反映する場合に適用可能となります。

利息法(2004年5月)


ICは、利息法による減価償却に関して提出された要望書も却下しました。この方法では、資産の償却額は、当該資産から予想される将来の正味キャッシュ・フローの現在価値を反映することから、当該資産は債権と同様に会計処理されます。
ICは、減価償却方法は資産の将来の経済的便益が消費される方法を反映していなければならないことに留意しました。例えば、定額法は、長期間にわたり道路が均等に使用される場合には最適な減価償却方法となります。

収益に基づく減価償却方法


IAS第16号は、減価償却の基礎は、資産の将来の経済的便益の予想される消費のパターンであるという原則を設けています。有料道路の場合、消費は早い時期においては少なく、後の方の期間には多くなる可能性があります。ICは、2011年11月および2012年3月に、(予想される使用や生産高による)生産高比例法が将来の経済的便益の予想される消費のパターンを反映する方法としてより適切であるかどうかについて議論し、IAS第16号およびIAS第38号「無形資産」の明確化を提案しました。

その後、IASBは、収益は資産に具現化された経済的便益の消費以外の要因を反映しているとの理由から、資産の減価償却費の計算における収益を基礎とした方法の使用は不適切と考えられるとの明確化を行いました。2014年5月、IASBは、IAS第16号およびIAS第38号を修正しました。この修正は2016年1月1日以後に開始する事業年度より適用となります。

試運転コスト(2011年7月)


ICは、資産の試運転による販売収入とみなすことが可能なのは何か、についての明確化を求められました。要望書では、現地の規制の対象となる、ある法域に所在する複数の独立した工場で構成される企業グループの例が検討されました。当該規制では、この工業団地全体についての「量産開始日」の特定が要求されます。要望提出者は、すでに稼働中の工場からの収入は、まだ使用可能でない工場の試運転コストと相殺可能であるかどうかを質問しました。

ICは、試運転コストと収入は、個々の有形固定資産項目について区分して算定すべきであることに留意しました。またICは、IAS第16号は、特定の有形固定資産項目がいつ使用可能となるのかの判断、および生産による収益と資産の試運転コストから控除される収入の区別について十分なガイダンスを提供していると考えました。実務上の多様性の発生は想定されませんでした。

IAS第16号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
固定資産の減価償却
(2004年5月)
ICは、使用のレベルに直接関連して消費されていない資産に対する生産高比例法による減価償却の適用について検討した。適用の例としては、時とともに増加が見込まれる道路の使用がある。ICは、これは概念上の領域であると考え、IASBがこの論点を概念プロジェクトの一環として検討するよう提言した。
オペレーティング・リースにおける資産の減価償却
(2004年11月)
ICは、減価償却に利息法を適用することは適切ではないとの結論を下した。この方法においては、資産の償却額は、予想される将来の正味キャッシュ・フローの現在価値を反映することになる。
建設中の投資不動産の再評価
(2006年11月)
IASBは、2008年5月、ICの勧告に従い、IAS第16号およびIAS第40号「投資不動産」を修正し、建設中の投資不動産はIAS第40号に基づいて会計処理しなければならないことを明記した。
他者への賃貸のために保有する資産の売却
(2007年5月)
ICは、企業が賃貸のために資産を保有し、その後に当該資産を売却する場合の利得または損失の表示についての質問を受けた。

この要望書を受けて、IASBは、2008年5月にIAS第16号を修正し、賃貸のために保有する資産の売却収入がIAS第18号「収益」に基づく収益として認識されなければならないことを明確化した。IASBは、企業が賃貸のために保有する有形固定資産項目を日常的に売却している場合、総額表示が通常の活動をより適切に反映するだろうと結論付けた。
遊休資産および建設仮勘定の開示
(2009年5月)
IAS第16号は、一時的に遊休となっている資産および建設仮勘定の開示を推奨しているものの、特に要求していない。そのため、ICに対して、期待される開示範囲の明確化の要請があった。ICは、財務諸表の理解に関連性のある追加的な情報の開示を求めるIAS第1号「財務諸表の表示」の要求事項に基づき、追加的なガイダンスは必要ないと結論付けた。
試運転コスト
(2011年7月)
ICは、すべての工場が同じ企業グループに属する場合に、すでに稼働中の工場からの収入は、まだ使用可能でない工場の試運転コストと相殺可能かどうかについて検討した。ICは、有形固定資産項目が「使用可能」となった日を特定し、また、量産による収入と資産の試運転コストから控除される収入とを区別するための十分なガイダンスをIAS第16号が提供しているとし、この論点を却下した。
土地の使用権の購入
(2012年9月)
ICは、土地の使用権の購入の会計処理の明確化を要請されたが、論点が地域に固有の事案に基づくものであったことに基づき、この論点を却下した。

しかし、ICは、期間が無期限だからといって「使用権」が、IAS第17号「リース」に従ってリースとして適格となることが妨げられるものではないことに着目した。
再評価モデルに基づく資産の借入コストの開示
公正価値で計上された有形固定資産について、借入コストの資産化は要求されない。ICは、当該資産が原価モデルに従って計上されていた場合の金額の開示を求める要求事項には、資産化された借入コストの開示も含まれることを確認した。
コア棚卸資産の会計処理
(2014年11月)
ICは、「コア棚卸資産」をIAS第2号「棚卸資産」もしくはIAS第16号のいずれに基づいて会計処理すべきかの明確化を要請された。ICは、「コア棚卸資産」が何によって構成される可能性があるのか、またそれらがどのように会計処理されるのかは業界間で異なることに着目した。ICは、会計処理における差異が、IAS第2号およびIAS第16号の適用方法により生じるものであるという明確な証拠がないことに留意し、この論点を議題から削除した。
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