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国際会計基準(IAS)第17号「リース」に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスのFernando Chiquetoが検討します。


今あなたは何かの答えを探していますか?
もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。今回はIAS第17号「リース」を扱います。
2016年1月、IASBは、新しいリース基準であるIFRS第16号「リース」を公表しました。しかし、IAS第17号のガイダンスは、今後約3年間は適用可能なまま維持されるため、IAS第17号に関して提起された疑問についてICがどのような対応を行ったかを見直すのに今は良いタイミングであると言えます。

ファイナンス・リースのファイナンス・サブリース(2005年6月)


ICは、IAS第17号には、ファイナンス・リースにより取得された資産がその直後に仲介業者によってリースされた場合に関する解釈指針が必要かどうかについて検討しました。資産が製造業者から取得された後にエンドユーザーに売却される場合、仲介業者は当該資産を棚卸資産として取り扱うことが可能であるとの見解が示されていました。

ICは、この論点が、IAS第17号のファイナンス・リースに関するガイダンスおよびIAS第39号の認識の中止に関する要求事項により対応されていることに留意しました。ICは、当該資産を棚卸資産として会計処理するという提言には同意しませんでした。

IFRS第16号において、ヘッドリースおよびサブリースは、それぞれ借手および貸手の会計処理に従って取り扱われます。ファイナンス・リース負債は、IFRS第9号の認識の中止に関するガイダンスの対象となります。

SIC第15号に基づくオペレーティング・リース・インセンティブの認識(2005年8月)


ICは、オペレーティング・リース契約に貸借料を市場価格に合わせて改定することを要求する条項が含まれている場合におけるインセンティブを認識すべき適切な期間の検討を要請されました。

ICは、SIC第15号「オペレーティング・リース-インセンティブ」が、借手に対して、インセンティブを貸借料からの控除項目としてリース期間にわたって認識することを要求していることに留意しました。また、ICは、SIC第15号の文言は明確であるとし、かつ、オペレーティング・リース契約が市場価格に改定された後の借手のリース費用は、同時期に市場価格で新規のリース契約を締結する企業のリース費用と同程度であるべきだとする意見を受け入れませんでした。また、ICは、価格の変更は時間的パターンにおける変化を表すものとなるとは考えていません。

IFRS第16号においては、あらゆるリース・インセンティブは使用権資産の控除項目として計上されます。

オペレーティング・リースからの利用者の便益の時間的パターン(2005年11月)


ICは、リースの存続期間にわたって年間リース料が固定割合で上昇するオペレーティング・リースの収益および費用の認識パターンについて検討しました。ICは、リース料の上昇がリース期間にわたって見込まれる毎年のインフレの補償を意図している場合であれば、そのようなリース料の上昇を各会計期間において認識することが容認されるかどうかについての見解を求められました。

ICは、IAS第17号に基づくオペレーティング・リースの会計処理には、貨幣の時間価値を反映するための調整は組み込まれていないことに留意しました。むしろ、IAS第17号は、オペレーティング・リースによる収益または費用について、他の規則的な方法により利用者の便益の時間的パターンがより適切に表される場合を除き、定額法で認識することを要求しています。ICは、毎年の固定割合での上昇からの収益または費用をそれらの発生時に認識することは、利用者の便益の時間的パターンと首尾一貫していないことに留意しました。

IFRS第16号において、固定リース料はリース負債の構成要素の1つです。

借手に所有権が移転しない土地のリース(2005年12月)


ICは、土地の長期リースは、土地のリースであっても「通常」オペレーティング・リースに分類されない状況を表すのかどうかについての見解を求められました。IAS第17号第14項には、リース期間の終了までに借手に所有権が移転すると予定されない場合には、借手が通常、所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて引き受けることはなく、その場合には当該リースはオペレーティング・リースになる旨が明記されていました。

「通常」という言葉は、貨幣の時間価値は残余価値を重要性がない金額まで減少させるため、土地の長期的なリースがファイナンス・リースとして扱われる可能性があることを示唆しています。しかし、ICは、「通常」という言葉の影響を受ける例として、リース期間の終了時に貸手が不動産の公正価値を借手に支払うことに合意した土地のリースであることに留意しました。そうした状況下では、所有権が移転しないにもかかわらず、土地に関連したリスクと経済価値が借手に移転していた可能性があります。

ICは、土地のリースは、所有権または土地に関連する重要なリスクと経済的価値が借手に移転することが見込まれない限り、オペレーティング・リースに分類されると述べました。IAS第17号第14項は、IFRSの改善(2009年4月公表)によって削除されました。

変動リース料(2006年5月)


ICは、オペレーティング・リースにおける未払または未収の変動リース料の見積りを、リース期間にわたって定額法で認識されるリース料またはリース収益の総額に含めるべきであるかどうかを検討しました。

ICは、現行の実務では、変動リース料はリース期間にわたって定額法で認識される金額から除外されていることに留意し、この論点はアジェンダに追加されませんでした。

IFRS第16号において、リース負債は、指数または率(例:消費者物価指数と連動したリース料、ベンチマーク金利、または市場における賃借料の変動を反映して変動する支払)に応じて決まる変動リース料のみで構成されます。原資産の使用の将来の履行に連動した変動リース料は、リース負債の測定から除外されます。

買戻し契約を伴うセール・アンド・リースバック取引(2007年3月)


ICは、売手または借手が買戻し契約または買戻しオプションを通じてリース資産の支配を保持している場合には、セール・アンド・リースバック取引をどのように会計処理すべきかについて検討しました。

ICは、セール・アンド・リースバック取引に関し、IAS第18号ではなく、むしろIAS第17号の方がより具体的なガイダンスを提供していることに留意しました。その結果、ICは、IAS第17号の範囲に含まれるセール・アンド・リースバック取引にIAS第18号の要求事項を適用する必要はないとの結論を下しました。

IFRS16号において、企業は、資産の譲渡が売却として会計処理されるかどうかを決定するためにIFRS第15号の履行義務のガイダンスを使用します。しかし、売手-借手が実質的な買戻しオプションを有している場合には、売却は発生していません。

利用者の便益の時間的パターン(2008年9月)


定額法によるリース費用の認識についてどのような代替案が適切となる可能性があるかに関するガイダンスを求める要望書が提出されました。

ICは、IAS第16号「有形固定資産」およびIAS第38号「無形資産」は、企業に対して、資産の将来の経済的便益を企業が消費すると見込まれるパターンを最もよく反映する手法に基づいて生産的資産の使用を認識することを要求していることに留意しました。一方、IAS第17号は、利用者の便益の時間的パターンを参照しています。したがって、定額法による認識の代替案は、リース資産の使用の時間的パターンを反映したものでなければなりません。

土地の使用権の購入(2012年9月)


ICは、土地の使用権の購入を、i)有形固定資産の購入、ii)無形資産の購入、またはiii)土地のリースのいずれとして会計処理すべきかについての明確化を求める要請を受けました。提出された事案では、法律および規制は土地に対する自由保有権を有することを企業に認めていません。

ICは、検討した事案におけるリースの特徴を識別しました。ICは、リースは、延長または更新により、無期限となる可能性があるため、期限が無期限だからといって「使用権」が、IAS第17号に従ってリースに該当することが妨げられるものではないことに留意しました。また、ICは、借手が権利を更新するオプションを保有しており、減価償却目的の耐用年数に更新期間が含まれる可能性があることにも留意しました。適切な減価償却期間の評価には、判断が必要となります。

IAS第17号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
ファイナンス・リースのファイナンス・サブリース
(2005年6月)
ICは、借手および貸手となる仲介業者、および借手となるエンドユーザーの両者に関するガイダンスについて、IAS第17号が明確であることに合意した。IAS第39号の認識の中止に関する要求事項も、それらが仲介業者のファイナンス・リース負債に適用されることについて、明確であるとされた。
SIC第15号に基づくオペレーティング・リース・インセンティブの認識
(2005年8月)
ICは、SIC第15号における文言は明確であり、借手は、他の規則的な方法がリース資産の使用による借手の便益の時間的パターンを表す場合を除き、インセンティブの便益の総額を賃借料からの控除項目としてリース期間にわたって定額法で認識しなければならないと考えた。
オペレーティング・リースからの利用者の便益の時間的パターン
IAS第17号は、他の規則的な方法が利用者の便益の時間的パターンをより適切に表す場合を除き、オペレーティング・リースの収益または費用が定額法で認識されるよう要求している。ICは、固定の年率で上昇する収益または費用の認識が利用者の便益の時間的パターンと首尾一貫していない可能性があることに言及した。
借手に所有権が移転しない土地のリース
(2005年12月)
土地のリースは、所有権が借手に移転するか、リース期間の終了時に土地と関連した重要なリスクと経済価値が借手に移転する場合を除き、リース期間の長さにかかわらずオペレーティング・リースに分類される。
変動リース料
(2006年7月)
ICは、変動リース料がオペレーティング・リースのリース期間にわたって定額法で認識される金額に含まれることを予想していないことに留意した。
買戻し契約を伴うセール・アンド・リースバック
(2007年3月)
ICは、セール・アンド・リースバック取引については、IAS第18号よりも、IAS第17号の方が、資産を使用する権利を移転する取引という点において、より具体的なガイダンスを提供していることに暫定的に合意した。その他の取引については、IAS第17号の当該ガイダンスは適用されない。
利用者の便益の時間的パターン
(2008年9月)
ICは、IAS第17号がオペレーティング・リースにおけるリース費用の認識について定額法を用いない場合には、借手のコストまたは便益よりもむしろ、リース資産の使用の時間的パターンを反映しなければならないことを明確に示していると考えた。ICは実務における重要な不統一が生じることは見込まなかった。
土地の使用権の購入
(2012年9月)
ICは、期間が無期限だからといって「使用権」が、IAS第17号に従ってリースに該当することが妨げられるものではないことに留意した。
「増分コスト」の意味
(2014年3月)
ICは、新しいリースの交渉および手配に関与する常勤スタッフの給与コストが「増分コスト」に該当し、したがってファイナンス・リース債権の当初測定に初期直接コストとして含めるべきなのかどうかについての見解を求められた。ICは、内部固定費は「増分コスト」の要件を満たさないことに留意した。企業がリースの交渉や手配を行わなかったとした場合には発生しなかったであろうコストだけを、ファイナンス・リース債権の当初測定に含めるべきである。
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