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国際会計基準(IAS)第18号に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスの Michel Vique が検討します。
今あなたは何かの答えを探していますか?
もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。今回はIAS第18号「収益」を扱います。

IAS第18号「収益」は、物品の販売、サービスの提供、利息、ロイヤルティおよび配当を生じる収益を扱っており、高度な判断が要求される基準の1つです。そのため、過去13年間にわたり多くの論点がICに提起されてきたことは意外ではありません。
そうした論点のほとんどがICのアジェンダに追加されませんでしたが、IAS第18号において特定のガイダンスが不足していることを考えると、収益認識基準についての徹底的な見直しの必要性を強調するものでした。しかし、決定事項の中には有用な明確化をもたらしたものもあり、それらは新収益基準であるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に取り込まれました。
延払条項および早期支払値引き(2004年7月)
企業は、顧客に対し、延払条項(6か月間の無利息の信用など)の供与、または請求金額の早期支払値引き(決済割引)の提示のいずれかに合意する場合があります。支払条件は、収益認識の時期および損益計算書上のどの表示区分で認識するかに影響を与える可能性があります。2004年7月、ICは、以下を明確化しました。
企業が顧客に対して延払条項を提供する場合、当該契約が実質的に販売取引と金融取引の両方を構成することが示唆されている可能性があります。その場合、(引渡しと支払いとの間の期間についての)貨幣の時間価値は、区分して会計処理を行わなければなりません。したがって、販売時に認識される収益の金額は減額され、金利収益が金融取引に相当する期間にわたって認識されます。
企業が早期支払値引きを提供している場合、IAS第18号の原則は、取引により認識する収益の金額から、販売時点における値引きの金額を控除するよう要求しています。企業は請求書上の額面金額までの収益を認識すべきではなく、かつ値引きの金利費用についても認識すべきではありません。
IFRS第15号は、企業が顧客に当該財またはサービスを移転する際に現金で支払う場合には、当該財またはサービスに顧客が支払ったであろう価格を反映する金額(すなわち現金販売価格)で企業が収益を認識しなければならないことを明確化しています。
顧客が引渡時の支払に合意している場合に支払う値引き後の金額は、現金販売価格を反映していなければなりません。したがって、早期支払値引きの会計処理に関する変更は見込まれません(例、販売時点における売上高からの控除)。また、IFRS第15号は、履行後に行われた支払のために受け取った現金を下回る金額で収益を認識することを要求しています。これは、受け取った対価の一部は金利収益として計上されることになるためです。
しかし、IFRS第15号は、認識される収益の金額が履行の前に行われた支払のために受け取った現金を上回ることを要求しています。これは、そうした場合には、金利費用が計上されることになるためです。
電気通信業界における契約者獲得コスト
IFRICは、電気通信サービスの提供者がサービス契約を結んでいる顧客に対して無料または値下げした価格で提供する電話機をどのように会計処理すべきかについて検討しました。次のうちどちらの会計処理を行うべきかが質問されました。
  • この契約は区分して識別可能な2つの構成部分、すなわち、電話機の販売および電気通信サービスの提供として取り扱わなければならない。収益は各構成部分に配分されることになる。または、
  • 電話機は新規顧客の獲得コストとして取り扱わなくてはならず、電話機に収益は配分されない。
IFRICは、この質問は広い範囲に及ぶ関連性を有し、多くの業界に影響するものであることを認識しました。IAS第18号が「区分して識別可能な構成部分」が何を意味するかについてのガイダンスを提供していないため、実務が多様化しています。
2006年3月、IFRICは、タイムリーにコンセンサスに至ることが困難であると考え、このトピックをアジェンダとして取り上げないことを決定しました。またIFRICは、この問題に関するガイダンスは原則ベースの内容とすべきであり、IASBが収益契約の中の分離可能な構成部分の識別に関する原則を開発中であることに留意しました。
2015年5月、IASBは、収益認識に関する新基準を公表しました。IFRS第15号は、複数の財またはサービスが束となっている契約における別個の財またはサービスの識別方法に関して多くのガイダンスを提供しています。IFRS第15号は、特定の財またはサービスが別個のものであるかどうかを明確化しています。
a) 財またはサービスが、それ自体で、または顧客が容易に利用可能な他の資源との組合せで、顧客に便益を提供し得る場合(例えば、企業が定例的に財またはサービスを独立して販売している場合)、 b) 財またはサービスが、契約の中のその他の財またはサービスから区分して識別可能である(例えば、当該財またはサービスが契約で約束した他の財またはサービスを大幅に修正しない)。
また、各構成部分に取引価格を配分する方法に関する新規則も適用されている。
サービス期間の開始時に値引き価格または「無料」で提供された製品に対して追加の収益を配分する必要が生じる可能性を考慮すると、IFRS第15号が提供する新ガイダンスは、電気通信業界に重大な影響を与えるだけではなく、複数要素契約を有する個々の企業にも重大な影響を与えることになります。
IAS第18号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
延払条項
(2004年7月)
IAS第39号「金融商品:認識及び測定」は債権に適用される。貨幣の時間価値の影響は、重要な場合には反映しなければならない。しかし、ICは、IAS第18号の文言は明確さに欠け、改善する必要があることに留意した。
早期支払値引き
(2004年7月)
債権残高の早期支払により生じる値引きは、販売時点において見積り、収益の控除項目として表示しなければならない。
電気通信業界における契約者獲得コスト
(2006年3月)
ICは、電気通信サービスの提供者は、サービス契約を結ぶ顧客に対して無料または値引きした価格で提供する電話機をどのように会計処理すべきかについて質問を受けた。
IAS第18号は、「区分して識別可能な構成部分」が何を意味するかについてのガイダンスを提供していないため、実務が多様化している。しかし、ICは、この論点が多くの他の業界に影響するものであり、かつIASBが収益契約の中の分離可能な構成部分の識別に関する原則を開発中であったことから、この論点をアジェンダに追加しなかった。
賃貸事業における資産の売却
(2007年3月)
第三者に賃貸された後に売却された資産の売却を、損益計算書上総額(収益及び売上原価)または純額(利得または損失)のいずれで表示すべきかについて質問が提起された。
ICは、IAS第16号「有形固定資産」は有形固定資産項目の認識の中止から生じる利得を収益に分類すべきではないと述べているが、一部の限定的な状況では、損益計算書上で収益の総額を報告することが適切となるだろうと考えた。
賭博取引における代理の関係
(2007年7月)
賭博施設が顧客側と反対のポジションを取る場合、その結果未決済となった掛け金が、IAS第39号に基づくデリバティブ金融商品の定義を満たす金融商品となる。
その他に、賭博施設が、複数当事者間のゲームの企画管理を行うサービスを提供し、賭けの結果にかかわらずこのサービスに対する手数料を稼得するような状況があるが、こうした手数料はIAS第18号に基づく収益の定義を満たす可能性が高い。この論点は、この領域の実務において広い範囲に及ぶ多様性が存在しないことを考慮し、ICのアジェンダに取り上げられなかった。
代理の関係
(2007年9月)
ICは、販売契約に従い顧客の要求を満たすために企業が別の企業を雇う状況に関する解釈指針を求める要請を受けた。
IAS第18号は、「代理の関係にある場合、経済的便益の総流入は、本人のために回収した金額で企業の持分の増加をもたらさない金額を含んでいる。本人のために回収した金額は収益ではない。その代わり、収益は手数料の金額となる。」と規定している。
IFRICは、この論点については詳細なガイダンスが提供されていないことを認識した。しかし、企業が本人として行動しているのか代理人として行動しているかの判定は事実と状況により、判断が要求されることに留意した。
トレイリング・コミッションの会計処理
(2008年7月)
ICは、手数料の支払に関する契約上の義務が将来のサービスの履行に結びついていない場合における継続的な手数料契約をどのように会計処理すべきかに関するガイダンスを求める要望を受けた。ICは、この論点は多くの業界に影響するものであり、この領域における実務が多様であることに留意した。本論点の複雑性およびIASBがこれらの論点について収益認識に関するプロジェクトにおいて検討中であるという事実を考慮して、この論点をアジェンダに追加しないことを決定した。
資本性金融商品の配当の受領
(2010年1月)
ICは、配当が被投資企業の自己の資本性金融商品の形式である場合に、投資企業の財務諸表における配当収益の認識に関するガイダンスを求める要請を受けた。
全普通株主が、被投資企業の自己の資本性金融商品を配当として比例的に受領する場合、投資家の財政状態または経済的利益に何の変化もない。このような状況において、取引に関連する経済的便益が、投資者に流入する可能性が高くはないため、配当は収益として認識されない。
規制資産および負債
(2012年11月)
ICは、規制対象企業が、将来のサービス提供とは独立に、原価の回収が認められるかまたは一部の金額の返金を求められる特定の状況において、規制資産または規制負債を認識すべきかどうかの明確化を求める要請を受けた。ICは、この論点は現行のIFRSと概念フレームワークにおける制約の中で委員会が扱うには広すぎると考えた。したがって、IASBが料金規制活動に関する包括的なプロジェクトを再開していることから、ICはこの論点をアジェンダに追加しないことを決定した。
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