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国際会計基準(IAS)第24号に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスの Cynthia Leung が検討します。
今あなたは何かの答えを探していますか?

もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。今回はIAS第24号「関連当事者についての開示」を扱います。

IAS第24号「関連当事者についての開示」は、開示に関する基準書であり、関連当事者との関係、取引および未決済残高(コミットメントを含む)の識別方法や、必要とされる開示の内容と時期が規定されています。
ICは、これまでにIAS第24号に関する4つの論点を却下しています。今回は、2015年5月に却下された論点「個人の近親者」の定義に焦点を当てます。
論点
個人の近親者の定義は、当該個人の父母がこの定義に含まれるかどうかを明示していません。ICは、この定義が「企業が事業を行っている法域の法律又は一般的な慣習規範に従って近親者と考えられる人物」を含んでいる旨を明示するためにガイダンスを修正し、「個人の近親者」の例示を定義から削除するようにとの要望書を受け取りました。
ICの検討
ICは、個人の近親者の定義が、個人の親族が関連当事者かどうかを判定する原則ベースの方法で示されていることに着目しました。個人の親族が関連当事者かどうかを判定するためには判断が要求されます。
親族のリストは、網羅的なものではなく、また、その他の親族を個人の近親者と考えることを妨げるものではありません。
したがって、ICは、その他の親族(父母や祖父母を含む)が、特定の事実および状況の評価に応じて近親者に該当する可能性があると考えました。現行のIFRSの要求事項に照らし、ICは、解釈指針も基準の修正も必要ないと判断しました。したがって、この論点をアジェンダに追加しないことを決定しました。
IAS第24号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
国有企業による関連当事者との取引の識別および開示
(2004年5月)
この論点は、国有企業による関連当事者取引の識別と開示の実務上の困難に関するものであった。ICは、この論点が原則に関連するものというよりも基準の詳細な適用方法に関連するものであることに留意した。そのため、ICは、アジェンダにこの論点を加えないことを決定した。その後、この論点は2007年の公開草案(ED)で取り上げられ、政府関連企業の開示が削減される結果となった。
経営幹部に対する報酬の開示
(2004年9月)
ICは、IAS第24号(2003年)の採用により、IAS第24号(1994年)では経営幹部に対する報酬の開示が要求されていなかったと推論することが可能かどうかについての見解を求められた。ICは、これは事実とは異なっており、経営幹部がIAS第24号(1994年)の関連当事者の定義を満たす場合には、企業は経営幹部の報酬の開示が要求されることに留意した。解釈指針が必要であるとの結論には至らなかった。
「情報」という用語の解釈
(2004年9月)
ICは、(関連当事者との)関係が財務諸表に与える潜在的な影響の理解に必要な取引および未決済残高に関する最低限の開示要求事項を追加するようにとの要請を受けた。ICは、この論点はIAS第24号(2003年)の改訂の際に検討されたものの、提案されていた項目の追加は行われなかったことから、アジェンダにこの論点を加えないことを決定した。2009年、IASBは、この論点に関連した開示要求事項を明確化した。(IAS第24号第18項を参照)
個人の近親者の定義
(2015年5月)
要望提出者は、個人の近親者の定義が当該個人の父母が含まれ得るかどうかを明示していないため、この定義を修正するよう求める要望書をICに提出した。ICは、この定義は原則ベースの方法で示されており、個人の親族が関連当事者かどうかを判定するための判断の使用を伴うことに留意した。
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