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国際会計基準(IAS)第26号に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスのErnesto Mendezが検討します。
今あなたは何かの答えを探していますか?
もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、最大で20件までの様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、非常に限られます。改善や狭い範囲の修正となるものもありますが、多くの論点は却下されます。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。今回はIAS第26号「退職給付制度の会計及び報告」を扱います。

IAS第26号「退職給付制度の会計及び報告」は、退職給付制度自体の財務諸表における会計処理を取り扱っています。ICは、過去10年の間に、IAS第26号に関する2つの論点を却下しています。
IAS第26号における範囲と定義との間の不一致(2004年3月)
ICは、IAS第26号の適用範囲を明確化するよう要望を受けました。IAS第26号はその適用範囲について、「退職給付制度の中には、事業主以外の拠出者を有するものもある。本基準は、このような退職給付制度にも適用される」と記載しています(IAS第26号9項)。しかし、本基準における退職給付制度の定義では、「退職時又はその後に、事業主が、
その従業員に対して(for its employees)
給付を行う取決めをいう(強調のため下線付加)」(同8項)と述べていました。要望提出者は、ICに対して、IAS第26号は、事業主によって拠出される給付制度のみに適用されるのか、それともより広い範囲に適用されるのかを明確化するよう求めました。ICは、IAS第26号における文言は改善の余地があることに合意しましたが、本基準の意図は明確であり、事業主以外の拠出者を有する退職給付制度にも適用されると述べました。その後、IASBは編集上の修正として、下線部の記載を、(事業主が、)
従業員に対して(for employees)
に変更しています。
制度資産の評価(2010年5月)
ICは、IAS第26号とIAS第39号「金融商品:認識及び測定」との相互関係の明確化を求める要望を受けました。IAS第26号に従い、制度資産は公正価値で測定しなければならず、また、制度資産の公正価値の変動は給付のために利用可能な純資産の変動計算書に表示および開示しなければならないことに、ICは着目しました。
ICは、IFRS基準上の取扱いは明確であり、実務上の解釈にばらつきが生じることは見込まれないと結論付けました。その結果、ICはこの論点を却下しました。
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