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国際会計基準(IAS)第38号に関連するIFRS解釈指針委員会で却下された論点の実務上の影響について、PwCアカウンティング・コンサルティング・サービスのJonas Moliniが検討します。
今あなたは何かの答えを探していますか?

もしかしたらそれはすでに専門家によって検討済みかもしれません。
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、定期会議において、場合によっては20件にものぼる様々な論点を定期的に検討しています。議論された論点のうち、解釈指針が作成されるのは、ごく一部に限られます。多くの論点は却下されますが、改善や狭い範囲の修正となるものもあります。アジェンダに取り上げられなかった論点は「IFRICリジェクション(ICに却下された論点)」となり、これらは会計業界においては「非IFRIC(not an IFRIC)」もしくはNIFRICsとして知られています。NIFRICsは(2002年以降)成文化されており、国際会計基準審議会(IASB)の発行する基準書の「グリーンブック」に掲載されていますが、厳密には、権威のある会計基準書等に該当しません。このシリーズ記事では、ICによって「却下された」論点について知っておくべきことを取り上げます。
今回はIAS第38号「無形資産」を扱います。
IAS第38号は、他の基準で具体的な扱いが定められていない無形資産の会計処理を規定しています。
ICは、長年にわたり、多くの論点を却下してきました。その一部の論点について、以下で詳しく説明します。
償却方法(2010年1月)
ICは、耐用年数を確定できる無形資産の適切な償却方法を判断する場合の「経済的便益の消費」が示す内容の明確化を求める要望を受けました。
IAS第38号第98項は、「使用する方法は、資産に具現化された経済的便益の予想消費パターンを基礎とする」と述べています。ICのなかには、解釈指針が実務上のばらつきの低減に役立つ可能性があると考えるメンバーもいましたが、どのようなガイダンスも本質は適用指針であると考えるメンバーもいました。ICは、償却方法の決定は判断の問題であることに着目しました。
ICは、この論点について適時にコンセンサスに達することはできないだろうと結論づけ、この論点をアジェンダに追加しないことを決定しました。
IASBは、その後、収益には資産に具現化された経済的便益の消費に結び付かない要因も反映されているため、収益を基礎とした償却は適切でないと推定されることを明確にしました。この推定は、IAS第38号第98A項に含まれる限定的な状況においてのみ反証可能です。
資産購入に関する変動対価(2016年3月)
ICは、企業結合以外で取得した有形固定資産または無形資産にかかる変動対価の会計処理について対応を求める要望を受けました。
ICは、実務における処理に重要なばらつきが存在することに着目しましたが、この論点は範囲が広すぎるため現行のIFRS基準の範囲内で対応できないと結論づけ、この論点をアジェンダに追加しませんでした。
実務では、次の2つのアプローチがあります。1つ目のアプローチは、費用積算法(cost accumulation model)です。このアプローチでは、すべての追加費用はその発生の都度、当初認識された資産の取得原価に加算されます。2つ目のアプローチは金融負債法(financial liability model)です。このアプローチでは、関連する負債を再測定するとともに、追加費用は損益計算書上で費用として認識します。どちらのアプローチも、変動対価の会計処理として許容されています。これは会計方針の選択であり、すべての類似する取引に首尾一貫して適用した上で適切な開示を行わなければなりません。
IAS第38号に関するIFRICリジェクションの要旨
トピック
結論の要旨
電子データベースのコンテンツの取得もしくは開発にかかるコスト(2002年2月)
ICは、SIC第32号とIAS第38号が十分なガイダンスを提供しているとして、この論点を取り上げなかった。
契約者獲得コスト(2004年11月)
IASBが収益プロジェクトの一部として検討していることから、ICは、この論点をアジェンダに追加しなかった。
規制資産(2005年8月)
ICは、財務会計基準書(SFAS)第71号における認識要件が、IFRSの認識要件と完全に一致していないことから、SFAS第71号における特殊な規制資産モデルを修正せずに使用することはできないと結論づけた。
サービス移譲(2005年11月)
サービス移譲の場合においてIAS第8号(10項)の適用は免除されないことにICは同意した。すなわち、建設完了後の利息の資産化は有形資産および無形資産モデルのいずれにおいても許容されない。
SIMカードの分類および会計処理(2006年11月)
ICのアジェンダで取り上げなかった契約者獲得コストの論点に類似するため、ICは、この論点についてもアジェンダに取り上げないこととした。
規制資産および規制負債(2009年3月)
IASBの料金規制プロジェクトで取り扱うため、ICは、この論点をアジェンダに追加しないことを決定した。
不動産開発業者による建設期間中の販売費の会計処理(2009年5月)
販売費の会計処理については多数のIFRS基準の中で取り上げられている。そうしたコストの会計処理は、個別の事実および状況に応じて異なるため、ICは結論には至らないであろうとし、この論点をアジェンダに追加しなかった。
‘REACH’規制に関するコンプライアンスコスト(2009年7月)
ICは、化学物質の登録、評価、認可および制限(‘REACH’)に関する欧州規制の要求に準拠するために発生したコストの会計処理を、アジェンダに追加する要望を受けた。
ICは、IAS第38号のガイダンスが十分であるとして、この論点をアジェンダに追加しなかった。
規制資産および負債(2012年11月)
この論点は、IASBの料金規制プロジェクトに委ねられた。
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