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要点

FASBは、履行義務の識別およびライセンスの会計処理に関する新収益基準のガイダンスの修正を最終化しました。

最新の動向


米国財務会計基準審議会(FASB)は、2016年4月14日、履行義務の識別および知的財産(IP)のライセンスの会計処理に関する新収益基準のガイダンスの修正を最終化しました。本修正は、利害関係者が提起し収益認識に関する移行リソースグループ(TRG)が議論した適用上の論点に対処するものです。本修正は新基準の核となる原則を変更することを意図しておらず、ガイダンスにおける重要な側面を明確化し新基準を適用しやすくすることを目的としています。FASBは、この新たなガイダンスを説明するため、設例の修正や新規追加もしています。

履行義務の識別


本ガイダンスは、財またはサービスが契約上の他の約束から「区分して識別可能(separately identifiable)」か、またそれにより区分して会計処理すべきかを判断するための原則を明確化しています。改訂後の原則は、企業の約束が顧客に対する個々の財またはサービスの移転なのか、個々の財またはサービスをインプットとして結合させたものの移転なのかを企業が判定しなければならないとしています。

また本ガイダンスは(1)約束した財またはサービスのうち契約の観点から重要でないものを企業が識別する必要がないことを明確化し、(2)出荷および配送活動を、追加の約束したサービスではなく、契約履行コストとして会計処理することを選択できるとしています。

知的財産のライセンス


本修正では、知的財産を「機能的(functional)」と「象徴的(symbolic)」の2種類に分類しています。機能的なIPには、著しい単独の機能性(例:ソフトウエア、完成したメディア・コンテンツ、医薬品の化学式)を有しているものが該当し、それ以外のIPはすべて象徴的なIP(例:商標、ロゴ、フランチャイズ権)であると考えられます。機能的なIPライセンスから生じる収益は通常、一時点で認識し、象徴的なIPライセンスから生じる収益は一定期間にわたり認識します。

また本ガイダンスは、(1)どのような場合に、ライセンスが他の約束と束になっている場合にライセンスに関するガイダンスを適用するか、(2)どのような場合に、売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤルティの形式での対価に関するガイダンスを適用するか、および(3)ライセンス契約における制限が、顧客に対する約束の数にどのように影響するかについても明確化しています。

なぜ重要か


本修正は、実務における多様性が生じるリスクを低減させること、ガイダンスを適用しやすくすること、および新収益基準の特定部分を適用する際のコストと複雑性を軽減させることを目的としています。FASBによる本修正での変更は、IASBが同様の論点に関して行った修正とはいくつかの点で異なります。IASBによる収益ガイダンスの修正に関する詳しい議論はIn brief INT2016-07をご参照ください。

次のステップ


本修正の発効日および経過措置の要求事項は新収益基準と同じです。12月決算の公開会社は2018年より適用となり、早期適用は2017年について認められます。非公開会社の場合はもう一年遅れて新基準を適用することになります。

FASBは近く、新収益基準に対するその他の狭い範囲の修正を最終化して公表する予定です。また、新基準の様々な技術的な修正を提案する公開草案を当四半期中に公表予定です。

適用上の論点を議論する次回のTRG会議(米国の参加者のみを予定)は、4月18日に開催される予定です。

より詳しい情報については、PwCの情報サイトInformにてIn transition US2015-08(会員コンテンツ)をご参照ください。
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