IB US2016-07-05 SEC disclosure of payments by extractive industries (J)

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要点

SECは、石油、天然ガス、および鉱物の商業的開発に関する政府に対する支払の開示を要求する最終規則を承認しました。

最新の動向

米国証券取引委員会（SEC）は、2016年6月27日、発行体に対して、政府への資源採掘に関連する支払の開示を求める最終規則（SECプレスリリース）を承認しました。本規則は、資源採掘に従事する発行体に対し、石油、天然ガスまたは鉱物の商業的開発のために米国連邦政府または外国政府に対して行われた支払の開示を要求する規則の発布をSECに命じた、2010年ドッド・フランク金融改革消費者保護法第1504条に対応したものです。SECは、こうした開示を要求する規則を、当初2012年8月に承認しましたが、同規則は米国コロンビア特別区地方裁判所によって2013年7月に無効とされました。

主な規定

証券取引法Section 13またはSection 15(d)に従ってSECに年次報告書を提出することが要求されており、かつ、石油、天然ガスまたは鉱物の商業的開発に従事するすべての発行体（外国登録企業および小規模報告企業を含む）は、新たな開示を提供する必要があります。本規則は、発行体または、子会社もしくは発行体により支配される企業による、外国政府（州、郡などの地方政府を含む）または米国連邦政府に対するすべての支払について開示を要求するものです。発行体の開示には、プロジェクトごとに、支払の種類および総額、支払を受け取った政府、そして支払が関連する資源が含まれます。

なお、開示目的上、次の定義が適用されることになります。

この情報はSECの特別開示報告書（Form SD）の添付資料としてXBRLフォーマットを用いて開示しなければなりません。また、この情報についての監査は不要です。

SECは、この領域に関して、米国採掘産業透明性イニシアティブ、欧州連合指令、カナダ採掘産業透明性対策法の規則によって要求される開示は、SECの要求と実質的に同じ内容であると判断しました。したがって、これらの要求事項に従った報告書は、新しいSEC規則の遵守の目的でも使用可能です。

2015年12月に公表された当初の規則案からの変更として、最終規則には、経過的な救済措置または限定的な状況における報告の遅れを提供する2つの例外措置が含まれています。すなわち、（1）最近取得され、過去にこれらの規則の適用対象となっていない企業は取得後の最初の事業年度における本開示要求事項から除外できる、（2）探査活動に関する支払は本規則の適用初年度の翌年度から開示する、と規定されています。なお、SECは、適用免除についてはケースバイケースで検討を行う予定です。

なぜ重要か

本規則は、過去には公開されていなかった情報の開示を要求するものです。発行体は自社の事業に対する本規則の適用可能性の検討を開始し、新しい要求事項を遵守するのに適切なシステム、プロセス、統制を発効日までに保有できるかどうかを確認しなければなりません。

次のステップ

本規則の適用対象となる企業は、2018年9月30日以後に終了する事業年度の終了後、150日以内にForm SDを毎年提出しなければなりません。12月決算の企業は、2018年12月31日に終了する事業年度からこれらの要求事項に従う必要があります。