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要点
FASBの新ガイダンスは、共通支配下の当事者を通じてVIEに間接持分を保有する意思決定者が、VIEの主たる受益者か否かを判定する方法を変更しています。
一部のケースにおいては、以前の連結の結論が変わる可能性があります。
最新の動向
米国財務会計基準審議会(FASB)は、2016年10月26日、会計基準アップデート(ASU)2016-17「連結(Topic 810):共通支配下にある関連当事者を通じて保有される持分(Interest held through Related Parties that are under Common Control)」を公表しました。本ASUは、変動持分事業体(VIE)の意思決定者が、共通支配下にある企業を通じて保有するVIEの間接持分の評価方法を変更しています。また、この新ガイダンスは、2015年2月に公表されたASU2015-02「連結(Topic 810):連結の分析に対する修正」を変更するものです。
この新ASUの下では、意思決定者がVIEの主たる受益者かどうかについての評価を要求される場合に、共通支配下の関連当事者を通じて保有するVIEの持分について意思決定者が検討しなければならないのは、持分割合に比例した間接的な持分のみとなります。現行のASU2015-02では、意思決定者は、共通支配下にある関連当事者が保有するVIEの持分を自身が直接保有しているかのように扱わなければならないと規定しています(「完全帰属アプローチ(full attribution approach)」と呼ばれることがある)。ASU2015-02においては、意思決定者が比例的なアプローチを適用するのは、共通支配下にない関連当事者を通じてVIEの間接持分を保有している場合のみです。本ASUの行った修正により、この区別がなくなります。
なぜ重要か
本ASUにより、連結されていない共通支配下の関連会社を通じて保有するVIEの間接持分がそれほど重要でない場合、意思決定者は、その財務諸表において、当該VIEを連結する可能性が低くなります。ASU2015-02の完全帰属アプローチにおいては、このような間接持分を保有する意思決定者は、当該VIEに対する間接持分が明らかに重要でない場合であっても、当該VIEの連結を要求されることが多くありました。FASBは、多くの場合において、このような財務報告は有益な情報を提供するものではなかったと結論付けました。
連結免除規定にはこうした意図がある一方で、VIEの持分割合に比例した間接的な持分に潜在的な経済的重要性がない場合でも、意思決定者がVIEを連結しなければならない場合があります。これは、間接持分が共通支配下の当事者を通じて保有されている場合、当事者である二者はASC810における(ASU2015-02による修正後の)「関連当事者に係るタイブレーカー・テスト」の対象になる可能性が高いという事実に由来しています。このような場合、事実および状況次第ですが、意思決定者がVIEの「最も密接に関連している(most closely associated)」企業とみなされる場合には、タイブレーカー・テストの規約により、たとえ意思決定者のVIEに対する間接持分に重要性がない場合であっても、意思決定者はVIEの連結を要求されることになります。
次のステップ
ASU2016-17の規定は、公開企業(public business entities)について、2016年12月15日より後に開始する事業年度および当該事業年度に属する期中報告期間より適用されます。すべてのその他の企業について、本ASUは、2016年12月15日より後に開始する事業年度および2017年12月15日より後に開始する事業年度に属する期中報告期間より適用されます。また、期中報告期間における適用も含め、早期適用が認められます。企業が期中報告期間に本ASUを早期適用する場合、修正については当該期中報告期間を含む事業年度の期首現在で反映させなければなりません。
まだASU2015-02を適用していない報告企業は、ASU2015-02とASU2016-17を同時に、同様の経過措置を用いて、適用することが要求されます。
すでにASU2015-02を適用している報告企業は、ASU2015-02を初めて適用した事業年度以降の関連するすべての過去期間にASU2016-17を遡及適用することが要求されます。
さまざまな関係者から提起された質問に対応して、現在、FASBスタッフはASU810(ASU2015-02による修正)の共通支配の取決めを取り扱うASC810の規定にその他の変更を加えるべきかどうかの評価を行っています。
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