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本資料は、In brief INT2017-12「IFRS ICが法人所得税に係る利息および罰金に関するアジェンダ決定を公表」に置き換わるアップデート版です。
論点
IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)(以下、「IC」)は、2017年9月、法人所得税に係る利息および罰金に関するアジェンダ決定を公表しました。
IFRIC解釈指針(IFRIC)第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」は、国際会計基準(IAS)第12号「法人所得税」の範囲に含まれる法人所得税に適用されますが、法人所得税に係る利息および罰金の会計処理は取り扱っていません。ICは、ガイダンスを開発すべきか否かを検討し、利息および罰金について検討するプロジェクトは、そのコストを上回るほどの財務報告の改善という便益をもたらすことはないだろうという結論を下しました。したがって、ICはガイダンスを開発する必要はないことを決定し、アジェンダ決定を公表しました。
ICは、このアジェンダ決定において、企業は利息および罰金に対してIAS第12号とIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」のいずれかを、会計方針の選択として適用するものではないことに着目しました。すなわち、企業が、利息および罰金に関して支払うまたは受け取る特定の金額を法人所得税であると考えた場合には、当該金額にIAS第12号を適用します。企業が当該金額にIAS第12号を適用しない場合は、IAS第37号を適用することとなります。
さらにICは、以下のような見解を述べました。
  • 企業は、この会計方針に関する判断が財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える場合には、IAS第1号「財務諸表の表示」の第122項を適用して、この判断について開示する。
  • 企業は、利息および罰金を会計処理する際にIAS第12号とIAS第37号のいずれを適用するかにかかわらず、当該項目に重要性がある場合は、これらの情報を開示する(IAS第12号およびIAS第37号のいずれも、開示要求事項を定めているため)。
影響
どのような企業が影響を受けるか
法人所得税に係る利息または罰金を受け取るまたは支払う企業は、このアジェンダ決定の影響を受ける可能性があります。
どのような影響があるか
IAS第12号には具体的なガイダンスがないため、現在、一部の企業は、不確実な税務ポジションが存在する場合に、法人所得税に係る利息および罰金にIAS第12号またはIAS第37号のいずれを適用するかを判断する際に、会計方針の選択により適用している可能性があります。今後、これらの企業は、どちらの基準を適用するべきかを判断することが必要となるため、利息および罰金の具体的な内容を検討する必要があります。この検討が、一部には認識、測定および開示の差異、また損益計算書上の表示に変更をもたらす可能性があります。
アジェンダ決定はいつ適用されるか
このアジェンダ決定は現行のガイダンスを明確化するものであるため、即時に発効されます。企業は、報告日がアジェンダ決定の公表直後の場合、当該アジェンダ決定がその報告日時点で適用されるか否かを評価しなければなりません。その評価の一部として、関連する証券監督官の見解があればそれを考慮する必要があります。
企業は何をすべきか
影響を受ける企業は、法人所得税に係る利息および罰金の会計処理に関する自社のアプローチ、また会計方針や表示を変更する必要があるか否かを評価するべきです。会計方針の変更は、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に従って遡及的に会計処理しなければなりません。
考察
企業は、利息および罰金に関して支払うまたは受け取る特定の金額が法人所得税であるか否かを決定する必要があります。2006年3月および2009年5月のICのアジェンダ決定では、IAS第12号で法人所得税が課税所得に基づく税金と定義されていること、また「課税所得」という用語が総額ではなく純額の概念を含意していることが着目されていました。
どちらの基準を適用すべきかの決定には判断が必要となります。経営者は、利息および罰金が別個の要素としてIAS第37号を適用して会計処理するのか、あるいは税務当局との全体的な和解の一部としてIAS第12号を適用して会計処理するのかを決定するために、法人所得税法の実質と内容および税務当局との和解プロセスを検討しなければなりません。
関連する基準は、会計処理の全ての側面において首尾一貫して適用されなければなりません。
  • IAS第12号(および2019年1月1日より適用されるIFRIC第23号)のガイダンスは、会計単位の決定および当該基準の範囲に含まれる金額の認識および測定の際に適用する必要があります。これには、例えば、当期税金が純損益の外で認識された項目に関連する場合は当該当期税金を純損益の外で認識すること、また当期税金残高の割引には企業の会計方針の選択が適用されることが含まれます。
  • IAS第37号の範囲に含まれると判断された金額は、IAS第37号に従って認識および測定することになります。IAS第37号の範囲に含まれると判断された利息は財務費用として認識され、罰金は営業費用として計上されることになります。
経営者は、その影響が重要である場合には利息および罰金に適用している基準を、IAS第1号に従って明確に開示しなければなりません。
より詳しい情報について
アジェンダ決定の全文は、2017年9月のIFRIC Update(英語原文日本語訳)をご覧ください。
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