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要点
FASBが、貸手のための新しい実務上の便法を承認しました。さらにFASBは、貸手の特定のコストの表示を変更することに暫定的に合意しました。
最新の動向
米国財務会計基準審議会(FASB)は、2018年3月28日、新リース基準を適用する貸手のための新しい実務上の便法を暫定的に承認しました。実務上の便法が公表されると、貸手は、以下の条件を満たす場合、新リース基準の適用時に、関連するリース構成部分と非リース構成部分を合算する選択肢を有することになります。
  1. 非リース構成部分およびそれに関連するリース構成部分の移転の時期およびパターンが同じである。
  2. もし区分処理する場合には、単独のリース構成部分オペレーティング・リースに分類される。
この実務上の便法を選択する場合、貸手は、大部分(predominant)の特徴に基づいて、構成部分を合算して会計処理することになります。非リース構成部分が合算後の構成部分の大部分を占める場合には、貸手は、新収益基準に基づいて、構成部分を合算して会計処理します。それ以外の場合には、貸手は、新リース基準に基づき、オペレーティング・リースとして会計処理します。実務上の便法を選択する場合、類似するクラスの原資産に、選択した実務上の便法を首尾一貫して適用する必要があります。
またFASBは、表示に関連する運用上の困難について受け取ったフィードバックへの対応として、貸手の特定のコストの表示について議論しました。現在、貸手は、通常、売上税控除後の収益を表示しており、借手が直接支払う変動性のある不動産税や保険料を収益から除外しているのが一般的です。会計基準コード化体系(ASC)842は、同基準に記載のとおり、これらの貸手のコストを定量化して、損益計算書上に収益と費用の両方を相殺せずに報告することを貸手に求めています。FASBは、貸手に対して、(1)借手から回収した売上税を取引価格から除外する、および(または)、(2)借手が不動産税や保険料を直接支払っており、支払われる当該金額の不確実性が最終的に解消されないと見込まれる場合には、変動対価から当該不動産税および保険料を除外する、という会計方針の選択を認めることを暫定的に合意しました。
なぜ重要か
新しい実務上の便法により、新リース基準の適用は多くの貸手にとってさらに容易になり、コスト効率が良くなります。例えば、メンテナンス・サービスを一緒に提供している不動産リースの貸手は、不動産リースの構成部分と非リースであるメンテナンス・サービスの構成部分を区分しない選択を行うことができます。その選択を行わない場合は、それぞれの独立販売価格に基づいて各構成部分に契約の対価を区分する必要があります。貸手は、結合した構成部分のうちの「大部分」の特徴を判定するために判断を用いる必要があります。
収益および借手が直接支払った貸手の特定のコストに相当する費用を、損益計算書においてグロスアップ(総額表示)しないことにより、新リース基準を適用する上で、貸手の負担が軽減されることになります。例えば、貸手は、リース設備に保険を掛けることを借手に要求することがあります。借手は、リースの設備と非リースの設備およびその他の負債に包括的なアンブレラ保険を掛けて、そのような保険契約に基づいて単一の保険料を支払うことがよくあります。一方、貸手は、リース設備に適用される保険料と収益から控除可能な金額の内訳を知らない場合がよくあります。新しいガイダンスの下では、貸手は、そのようなデータを借手から収集する時間や労力を費やしたり、リース設備に配分される金額を見積ったりする必要がありません。収益の純額表示は、現行ガイダンスの下での当該コストの表示方法と同じになります。
次のステップ
FASBは、構成部分に関する貸手の新しい実務上の便法に対する範囲を限定した改善に係る会計基準アップデート(ASU)を最終化するよう、FASBスタッフに指示しました。FASBは、貸手の特定のコストの表示を改善する公開草案をコメント募集のために公表する予定です。
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