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要約
IFRS解釈指針委員会(IFRS-IC)は、財務活動から生じた負債の変動の開示について、財務諸表利用者から要望を受けました。
IFRS-ICは、企業がこの開示を行う際に焦点を当てるべき分野を識別するアジェンダ決定を公表しました。またIFRS-ICは、企業がIAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」の開示と分解の要求事項を慎重に検討する必要があることも強調しました。
全ての企業が、IFRS-ICのコメントに照らして、既存の開示を再検討し、変更が必要かどうかを決定する必要があります。
論点
IFRS-ICは、財務活動から生じた負債の変動に関するIAS第7号の開示要求について、財務諸表利用者から要望を受けました。この要望は、IAS第7号の開示要求が、利用者が財務活動から生じた負債の変動を評価することを可能にする開示を提供することを企業に要求するのに十分であるかどうかを尋ねるものでした。
IAS第7号第44A項は、企業に対して、「財務活動から生じた負債の変動(キャッシュ・フローから生じた変動と非資金変動の両方を含む)を財務諸表利用者が評価できるようにする開示を提供する」ことを要求しています。
企業が、IAS第7号第44A項の目的を満たすために、財務活動から生じた負債の変動をどの程度まで分解し説明するのかを決定する際は判断を適用すると、IFRS-ICは考えました。しかしながら、企業は、性質や機能が異なる重要性のある項目を集約したり、財務諸表項目の理解に関連する追加的な説明の提供を欠くことによって、財務諸表の理解可能性を低下させてはなりません。
IFRS-ICは、IAS第1号およびIAS第7号の原則および要求事項が、財務活動から生じた負債の変動に関して利用者が当該変動を評価することを可能にする情報を企業が開示するために、適切な基礎を提供していると結論付けました。IAS第7号の開示要求をIAS第1号の要求事項と併せて遵守することは、IAS第7号の目的を満たす開示を企業が提供することを要求するために適切であります。IFRS-ICは、この結論を2019年9月25日に公表された本アジェンダ決定で説明しました。
本アジェンダ決定ではさらに、IAS第7号の開示要求を満たす方法として企業が表形式の調整表を開示する場合、以下の情報を提供する必要があると説明しています。
  • 財務活動から生じた負債の変動の調整(企業が異なる「純債務」の指標を定義し調整することを選択した場合であっても、これは企業が財務活動から生じた負債の変動を識別し調整するための要求事項を削除するものではない)
  • 他の資産または負債の変動とは区分した財務活動から生じた負債の変動の開示
  • 利用者が調整表に含まれている項目を財政状態計算書の期首残高及び期末残高と関連付けることができるようにするための情報
  • 適切な分解(例えば、重要性のある調整項目を区分して開示し、類似しない項目を集約しない)
  • 調整項目を説明するための必要に応じた追加的な開示
誰にどのような影響があるか
本アジェンダ決定では、企業が財務活動から生じた負債の変動を説明するための情報を開示する際に、特に注意を払う必要がある分野を識別しています。全ての企業は、IFRS-ICのコメントに照らして、既存の開示を再検討し、変更が必要かどうかを判断する必要があります。
適用日
アジェンダ決定には正式な発効日はありません。IFRS-ICは、アジェンダ決定は、従来利用可能でなかった説明資料をもたらすことが多く、その結果、企業が会計方針を変更する可能性があることに留意しました。IASBは、企業がその判断を行い、変更を適用するための十分な時間を与えられるであろうと予想しています。今回の場合、企業は、2019年12月31日に終了する会計年度の財務諸表における財務活動から生じた負債の変動に関する開示を慎重に検討する必要があります。会計方針の変更は遡及適用され、比較対象金額は修正再表示される必要があります。
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