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要点

特定のカストディ(保管・管理)業務を行い、暗号鍵情報を保持する企業は、米国証券取引委員会(SEC)スタッフが公表した新たなガイダンスに基づき、暗号資産の保全に係る負債および関連する資産を貸借対照表に公正価値で計上することが要求されます。

最新の動向
2022年3月31日、SECスタッフは、SEC職員会計公報(SAB)第121号(SAB121)を公表しました。これは、ユーザーが暗号資産を取引できるプラットフォームを運営し、顧客の暗号資産の保全義務のある業務に従事する報告企業のための解釈指針を提供するものです。このガイダンスは、米国会計基準(US GAAP)または国際財務報告基準(IFRS)を適用している報告企業に適用されます。
SECスタッフは、暗号資産に関連するカストディ・リスクは他のカストディ業務から生じるリスクとは異なると考えたことから本ガイダンスを公表しました。これは、このような資産の保有に対する規制が限定的であるために規制リスクが高まっていること、技術的リスク(例えば、暗号資産の保全など)、およびこのような資産の特異性に起因する法的判例の欠如によるものです。
現状、カストディアン(保管管理事業者)は、保全の対象としている資産を支配しておらず、したがって当該資産を返還するための負債を計上しないと結論づけている可能性があります。このような場合、カストディアンは、当該資産を貸借対照表に計上していません。詳しい情報については、PwC会計ガイド「暗号資産」(英語のみ)のセクション 3.1.2をご参照ください。
しかし、2022年3月31日公表のSAB121が示唆するように、SECスタッフは、公正価値で認識および再測定した暗号資産の保全に係る負債および関連する資産を計上することによって、利害関係者は便益を得ると考えています。また、当該資産は本質的に補償資産(会計基準コード化体系(ASC)第805号 「企業結合」参照)に類似しており、暗号資産の保全に係る負債と同じ基礎に基づき、潜在的な損失エクスポージャーに関する調整を加えて測定されると考えています。なお、報告企業によって認識される資産は暗号資産自体とは別個の異なるものです。
なぜ重要か
暗号資産は、安全な保管のため、顧客に代わってカストディアンが保有している場合があります。暗号資産を保有するための取決めはさまざまですが、一般的には契約または利用規約によって定められています。
この新しいガイダンスは、ユーザーが暗号資産を取引できるプラットフォームを運営し、かつ、(直接または代理人を通じて)カストディ業務を行う企業に対し、暗号資産を誰が支配しているかにかかわらず、負債および対応する資産を計上することを要求しています。暗号資産の保全に係る負債および関連する資産は、報告期間ごとに公正価値で測定する必要があります。
この新しいガイダンスは、実務に重大な変更をもたらす可能性があります。従来、カストディアンが顧客に代わって保有する暗号資産に関する資産および関連する負債を計上すべきかどうかの決定は、暗号資産に対する支配の評価によって異なり、また、事実および状況に基づいた重大な判断の適用が要求されていました。
SAB121は、報告企業がプラットフォームのユーザーに対し保全の責任を負っている暗号資産の性質や金額を、注記および提出書類のその他の部分に開示することも要求しています。SECスタッフは、報告企業は、誰が暗号資産の記録管理および保全に責任を負っているのか、およびどの企業が暗号鍵情報を保有しているかについての情報の開示を検討すべきであると考えています。さらに、公正価値で測定する暗号資産の保全に係る負債および関連する資産の認識に伴い、報告企業は、ASC820「公正価値測定」で要求される開示を含める必要があります。
次のステップ
SECは、SAB121のガイダンスを適用する際の移行ガイダンスを提供しています。SEC登録企業は、2022年6月15日より後に終了する最初の期中報告または年次財務諸表(すなわち、12月決算の公開企業については2022年第2四半期)において当該ガイダンスに準拠することが期待されます。本ガイダンスは、当該期中期間または年次期間の関連する事業年度の期首(12月決算の公開企業については2022年1月1日)から遡及適用することが要求されます。
SAB121は、その他の企業にも適用されます。新規株式公開(IPO)を実施する企業、および特別買収目的会社(SPAC)などのシェル・カンパニーとの企業結合を行う非公開会社が含まれますが、これらに限定されるものではありません。このガイダンスは企業によるSECへの次回の提出またはファイリングから適用し、少なくとも2022年6月15日の直前に終了する事業年度の期首時点から遡及適用することが要求されています。
PwC米国では、この新しいガイダンスに関するIn depthの公表を予定しています。
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