Expand
⇒原文(英語)はこちら

要点
  • 2023年12月、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、国際的な適用可能性を向上させるために、SASBスタンダードの修正を公表しました。
  • またISSBTMは、気候関連のリスクと機会の自然や社会的側面を説明する新しい教育的資料を公表しました。

論点
IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報開示に関する全般的要求事項」は、作成者に対して、サステナビリティ関連のリスクと機会を識別する際と、関連する開示を策定する際に該当するIFRSサステナビリティ開示基準がない場合に、SASBスタンダートを参照および考慮することを要求しています。
2023年5月、ISSBは、SASBスタンダードの国際的な適用可能性を向上させるための方法論案を詳述した公開草案を公表しました。ISSBは、公開草案で受け取ったフィードバックを受け、SASBスタンダードの更新プロセスを開始しました。2023年12月20日、ISSBはこのプロセスを完了し、SASBスタンダードの修正を公表しました。ISSBは、この更新は、産業、トピックまたは指標に大幅な変更を加えることなく、SASBスタンダードの法域固有の参照や定義を削除し、置き換えるものであると述べています。また ISSBは、SASBスタンダードの国際的な適用可能性の向上に関する結論の根拠の中で、公開草案のコメント期間中に、SASBスタンダードの将来の向上のための検討事項について、ステークホルダーからフィードバックを受けたと述べています。ISSBは、将来の基準設定作業(国際的な適用可能性を超えたSASBスタンダードの将来の更新を含む)は、ISSBのアジェンダの優先度に関する協議によって知らせると述べています。
2023年12月14日、ISSBは、IFRS S1号およびIFRS S2号の適用を支援する継続的な取り組みの一環として、新しい教育的資料を公表しました。新しい教育的資料には、気候関連ではあるが、自然や社会の問題に関連する側面も含んだリスクと機会について、企業がどのように報告するかを説明する3つの設例が含まれています。
この教育的資料は、気候問題の自然や社会的側面を含む、気候関連の依存や関係を識別するプロセスを通じて企業がどのような作業を行い、そのような関係が気候関連のリスクと機会にどのように反映されるのか、また、それらのリスクと機会について、企業がどのような指標を開示すべきかを決定する方法について洞察を提供するものです。また、本教育的資料の3つの設例に用いられているトピックは、IFRS S2号の適用対象となる可能性があるものです。この3つの設例では、水不足に関連するリスク、木材(再生可能な建材)に対する市場の需要拡大に関連する機会、および低炭素経済への移行に伴う企業の労働力管理に関連するリスクが示されています。
本教育的資料は、IFRSサステナビリティ開示基準の一部ではなく、IFRS S2号の要求事項を、設例で示した仮定の状況において、作成者がどのように適用できるかを説明するものです。
どのような影響があるか
現在、SASBスタンダードを用いてサステナビリティ事項の報告を行っている作成者は、作成者の使用する産業別基準への変更を確実に理解するために、修正スタンダードを確認しなければなりません。
IFRS S1号およびIFRS S2号に基づいて報告を行う予定の作成者は、SASBスタンダードを参照および検討する際には、必ず最新版のスタンダードを使用し、特に気候リスクの自然と社会的側面のリスクが報告企業に関連する場合には、当該リスクに関する教育的資料を確認し、検討すべきです。
詳しい資料
IFRS S1号およびIFRS S2号の要求事項の詳細については、PwCのIn depth INT2023-05「IFRSサステナビリティ開示基準-ガイダンス、インサイト、何から開始すべきか」(和訳はこちら)をご参照ください。
最終的なSASBスタンダードおよびIFRSの教育的資料へのリンクについては、IFRS財団による2023年12月のアップデートをご参照ください。
Expand Expand
Resize
Tools
Rcl

Welcome to Viewpoint, the new platform that replaces Inform. Once you have viewed this piece of content, to ensure you can access the content most relevant to you, please confirm your territory.

signin option menu option suggested option contentmouse option displaycontent option contentpage option relatedlink option prevandafter option trending option searchicon option search option feedback option end slide