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日本基準トピックス 第457号
主旨
  • 2023年2月2日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」(以下、「本開発計画」という)を公表しました。
  • 本開発計画では、SSBJが開発中(開発予定を含む)のサステナビリティ開示基準に関する検討状況および今後の計画が示されています。
  • 原文については、SSBJのウェブサイトをご覧ください。
経緯
  • 2023年1月18日、SSBJは、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のS1基準1およびS2基準2に相当する基準(日本版S1基準および日本版S2基準)の開発を審議テーマとすることを決定しました。
  • この度、SSBJは、ISSBのS1基準およびS2基準が確定されていない状況であるものの、確定基準が公表されるまでの間に可能な範囲で検討を進めておくことが適切と考えられること、また、SSBJのサステナビリティ開示基準の開発状況について明示することにより、国内外の関係者の予見可能性が高まると考えられることから、「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」を作成し、公表しました。
  • 本開発計画は、基準の開発状況や国際的な動向を踏まえ、随時改訂する予定とされています。
「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」について
本開発計画の構成
SSBJが公表した本開発計画は、以下の内容で構成されています。
I.本開発計画の策定における基本的な考え方
1.当委員会における基準開発プロジェクト
2.IFRSサステナビリティ開示基準に相当する、当委員会が開発する基準の範囲
II.基準開発プロジェクト
1.日本版S1プロジェクト(ISSBのS1基準に相当する基準(日本版S1基準)の開発)
2.日本版S2プロジェクト(ISSBのS2基準に相当する基準(日本版S2基準)の開発)
III. 当委員会が開発する基準の公表時期及び適用時期
本開発計画の主な内容
I.本開発計画の策定における基本的な考え方
SSBJにおける基準開発プロジェクトの内容および開発する基準の範囲(ISSBの文書の規範性に応じた取扱い)について、基本的な考え方が示されています。
II.基準開発プロジェクト
日本版S1プロジェクトおよび日本版S2プロジェクトについて、公開草案の公表に向け審議を行う予定であるとして、主な論点として以下の論点リストが示されるとともに、本開発計画の別紙において各論点の詳細が説明されています。
日本版S1プロジェクトの論点リスト(2023年2月2日時点)
No.
論点
1. S1基準案に対して当委員会からコメントをした事項
1-1
サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別並びに開示
1-2
報告の対象期間
1-3
つながりのある情報(connected information)
1-4
更新された見積りを反映した比較情報
1-5
外部組織による指針等の参照
1-6
法令等により開示が禁止されている事項と準拠表明
1-7
複数事業を営む企業における考慮事項
2. ISSBの再審議において新たに追加された要求事項
-
現時点では該当なし
3. 日本の制度等にあわせて追加又は修正の検討を事務局が提案する事項
3-1
当委員会が開発する基準に追加すべきか検討することが考えられる概念及び用語
① 一般目的財務報告及びその主要な利用者
② 報告企業(reporting entity)
③ 重要性がある(material)の定義
④ 有用なサステナビリティ関連財務情報の質的特性
⑤ 公表の承認日(date of authorisation for issue)
3-2
関連する財務諸表の作成基礎として用いた会計基準の開示
日本版S2プロジェクトの論点リスト(2023年2月2日時点)
No.
論点
1. S2基準案に対して当委員会からコメントをした事項
1-1
戦略及び意思決定(移行計画を含む)並びに気候関連の目標
1-2
現在の及び予想される財務的影響
1-3
気候レジリエンス
1-4
温室効果ガス(GHG)排出の測定
1-5
スコープ1及び2のGHG排出
1-6
スコープ3のGHG排出
1-7
ファイナンスに係る排出
1-8
内部炭素価格
1-9
報酬
2. ISSBの再審議において新たに追加された要求事項
2-1
気候関連の目標に関して追加された要求事項
2-2
気候レジリエンスに関して追加された要求事項
2-3
GHG 排出全般に関して追加及び削除された要求事項
2-4
スコープ2のGHG排出に関して追加された要求事項
2-5
スコープ3のGHG排出に関して追加された要求事項
3. 日本の制度等にあわせて追加又は修正の検討を事務局が提案する事項
-
現時点では該当なし
III.当委員会が開発する基準の公表時期及び適用時期
1.基準の公表時期
日本版S1プロジェクトおよび日本版S2プロジェクトの基準の公表時期について、ISSBよりS1基準およびS2基準の確定基準を2023年6月末までに公表されることを前提に、以下の目標が示されています。
公開草案の目標公表時期
2023年度中(遅くとも2024年3月31日まで)
確定基準の目標公表時期
2024年度中(遅くとも2025年3月31日まで)
2.基準の適用時期
基準の適用時期については、強制適用と早期適用のそれぞれについて以下の考え方が示されています。
強制適用時期
公表後ただちに強制適用を求めることを意図しておらず、強制適用を求める時期については、基準の公表後、相応の準備期間を考慮する予定
早期適用時期
上記の目標どおりに確定基準を公表した場合、確定基準公表後に開始する事業年度(遅くとも2025年4月1日以後に開始する事業年度)から早期適用が可能となる予定
ただし、確定基準公表後に終了する事業年度とすべきとの意見もあり、今後SSBJにおいて審議予定
_______________________________________________________________
1  ISSBが開発中の「IFRS S1 号『サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項』」(現時点では公開草案)
2 ISSBが開発中の「IFRS S2号『気候関連開示』」(現時点では公開草案)
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