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日本基準トピックス 第481号
主旨
  • 2024年2月26日、東京証券取引所は、「プライム市場における英文開示の拡充に向けた上場制度の整備について」を公表しました。
  • プライム市場の上場会社は、重要な会社情報について英文開示の努力義務が定められるとともに、決算情報および適時開示情報については英文開示が義務化されます。
  • 2025年4月から適用予定とされています。ただし、決算情報および適時開示情報の英文開示の義務化は、事前の申請により1年間の猶予が認められます。
  • コメント募集期限は、2024年3月27日です。
  • 原文については、日本取引所グループのウェブサイトをご覧ください。
主な内容
1.重要な会社情報の英文開示に関する努力義務
プライム市場の上場会社は、重要な会社情報について、可能な限り、日本語と同時に、英語で同一の内容の開示を行うよう努める旨の努力義務が新設されます。
2.決算情報・適時開示情報の英文開示の義務化
プライム市場の上場会社は、特に投資判断に与える影響が大きく速報性が求められる開示情報として、決算情報および適時開示情報について、日本語と同時の英文開示が義務化されます。内容については、全書類・全文の開示が望まれるが、一部または概要を英語により開示することでも可とされています。
これらの概要を表にまとめると以下の通りです。
英文開示の対象 (プライム市場上場会社)
英文開示の時期・内容
位置づけ
1.重要な会社情報の英文開示に関する努力義務
重要な会社情報
可能な限り、日本語による開示と同時に、英語により同一の内容を開示する
企業行動規範の「望まれる事項」
(努力義務)
2.決算情報・適時開示情報の英文開示の義務化
決算情報
  • 決算短信
  • 四半期決算短信
  • 当該決算の内容に関して投資者へ提供する補足説明資料(日本語で作成している場合に限る)
  • 日本語による開示と同時(*2)
  • 全書類・全文の同時開示が望まれるが、日本語による開示の一部または概要を英語により開示することでも可(*3)(*4)
企業行動規範の「遵守すべき事項」
(義務)
適時開示情報
  • 上場会社がTDnetを利用して適時開示する会社情報(*1)
*1 上場規則において適時開示を求めている会社情報(上場会社または子会社等の決定事実、発生事実、業績予想の修正等。上場会社の決算情報は除く。)のほか、会社が任意で適時開示する会社情報を含む。軽微基準に該当するが日本語で適時開示を行っている場合も含む。業績予想の修正など一部の適時開示項目に限定することは認められない。
*2 ただし、例えば、発生事実に係る開示など急遽対応が必要になる場合や、関係者との調整等により開示直前まで日本語による開示内容が定まらない場合であって、英語による同時開示を行おうとすると、日本語による開示の遅延が生じるときは、同時でなくても可(日本語を優先して開示)。
*3 決算情報については、例えば、決算短信・四半期決算短信のみの英文開示や、決算短信・四半期決算短信のサマリー情報と決算補足説明資料の英文開示なども想定されるとしている。決算短信・四半期決算短信のサマリー情報のみ英文開示を行っている場合でも規則違反には当たらないが、海外投資家との対話の内容等も踏まえて英文開示の範囲を継続的に検討することが推奨されている。なお、日本語の四半期決算短信に含まれる四半期財務諸表等について監査人による期中レビューを受ける場合でも、英語の四半期財務諸表等に対する監査人の期中レビューは要求されない。
*4 適時開示については、例えば、いつ何を(が)決定/発生したかといった海外投資家が事案の概要を把握するに足りる情報について英語で開示したうえで、詳細は日本語による開示を参照することも考えられるとしている。
なお、英文開示の開示内容の充実や対象書類(有価証券報告書等)の拡大などについては継続検討するとされています。また、PR情報や縦覧書類(株主総会招集通知、CG報告書等)については、英文開示は必須ではない(任意)とされています。
適用時期
2025年4月から適用予定とされています。ただし、決算情報および適時開示情報の義務化は、必要な体制整備に時間を要する企業も想定されることから、具体的な実施予定時期を記載した書面を提出することにより1年間の猶予が認められます(以下の表を参照)。
原則
  • 2025年4月1日以後に開示する決算情報および適時開示情報から適用(3月決算や12月決算などの決算期は問わず)。
  • 例えば、2025年3月決算の決算短信を、2025年4月以降に開示する場合も対象となる。
猶予措置
  • 1年間の猶予措置あり。すなわち、遅くとも2026年4月1日以後に開示する決算情報および適時開示情報から適用(3月決算や12月決算などの決算期は問わず)。
  • 猶予措置を受けるためには、2025年1月6日~3月14日までの間に、具体的な実施予定時期を記載した書面を東京証券取引所に提出する必要がある。
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