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新たな金融商品基準である国際財務報告基準(IFRS)第9号は、2018年1月1日より適用され、銀行の財務報告に重大な変更をもたらします。特に、予想信用損失(ECL)に関する減損の要求事項は、多くの銀行が経験してきた中で最も大幅な会計上の変更であり、IFRSへの移行時よりも大きな変更となる可能性があります。本基準の適用まで、残された時間はわずかしかありません。2018年までに準備を整えるためには、銀行は、財務、リスク、ITのそれぞれのスキルを総動員して、多くの分野にわたる大規模プロジェクトを完遂しなければなりません。このたびGPPC(Global Public Policy Committee)が公表した新たな報告書(以下、「GPPC報告書」という)は、新しい減損の要求事項の高水準な適用を促進し、監査人の期待をより明確化しようとするものです。

GPPCとは何か


GPPCとは、BDO、デロイト、EY、グラントソントン、KPMG、およびPwCの6大国際監査法人ネットワークの代表者によるグローバル・フォーラムです。GPPCは、監査および財務報告の品質を高めることで、公益に資することを目的としています。

GPPC報告書を読むべきなのは誰か


GPPC報告書は、主な対象として、資本市場および金融の安定にとって重要性が相対的に高い、システム上重要な銀行の監査委員会を想定しています。しかし、報告書の内容の多くは、その他の銀行や金融機関にも関連するとされています。

報告書は、銀行内においてIFRS第9号の適用に関与する、2つの主要グループを支援するように構成されています。2つの主要グループとは、第1に、関連する統制など、適用の方向性を決めてその監督を行うガバナンスに責任を負う者のグループ、第2に、財務、リスク管理、IT、およびその他の幹部など、新しい要求事項の適用に責任を負う者のグループです。

GPPC報告書の内容


報告書は、新しい減損の要求事項を適用する銀行に対して実務的な支援を提供しています。報告書は、バーゼル銀行監督委員会による「信用リスクと予想信用損失会計に関するガイダンス」および金融商品の減損に関するIFRS移行リソースグループによるガイダンスなどの他のガイダンスを補完するものです。報告書は、IFRSの要求事項を修正または解釈するものではありません。

報告書は、(1)ガバナンスに責任を負う者が注目すべき主要な領域(ガバナンスに責任を負う者が説明を求める可能性のある10の質問事項を含む)、および(2)新しい減損の要求事項の適用担当者向けのモデリングの主要原則の説明、の2つの大きなセクションに分かれています。

セクション1:ガバナンスに責任を負う者が注目すべき主要な領域


本セクションは、主にガバナンスに責任を負う者を対象にしていますが、説明されている領域は、銀行においてIFRS第9号の適用に関与するすべての当事者に関連したものです。本セクションでは、以下の領域を扱っています。

ガバナンスおよび統制 :データの品質、モデリング、システム、プロセス、および内部統制の各領域における広範囲の提言

精緻化およびその程度 :万能な対応策はないことを認識しつつ、IFRS第9号の減損の要求事項を適用する際に要求される精緻化のレベルの決定で考慮すべき要素

移行上の論点:再評価が必要になる可能性のある既存の方針および実務、ならびにデータの検討

ガバナンスに責任を負う者が説明を求める可能性のある10の質問事項


GPPC報告書は、監査委員会が上級経営者と重点的に議論を行うことができるよう、次の10の質問事項を取り上げています。

1. 主要な決定すべき事項についての結論を下し、必要なモデルおよびインフラストラクチャーを構築およびテストし、試運転(ドライラン)/並行運転(パラレルラン)を実行し、高品質の適用を実現するための実行計画は、2018年までどのように策定されているか。

2. 銀行は、IFRS第9号が適切に適用されるように、既存のシステムおよびプロセスに対する変更点(データ要件および内部統制を含む)をすべて識別しているか。

3. 報告プロセスおよび統制、特に、これまで監査対象でなかったシステムおよびデータソースをどのように文書化し、テストするか。

4. 異なるポートフォリオについて計画されている精緻化のレベル、および、それらが適切である理由は何か。

5. 主要な会計上の解釈および判断、ならびに、それらが適切である理由は何か。

6. 「信用リスクの著しい増大」の識別方法、および、選択した要件が適切である理由は何か。

7. 非直線的または非対称的な影響を反映するために、複数の代表的な将来予測的なシナリオを、どのように用いるのか。

8. 予想信用損失の発生要因を監視し、主要な判断に対するガバナンスを支援するためにどのようなKPIおよび経営管理情報を用いるのか。

9. IFRSの開示要求事項を、どのようにして満たし、どのようにして比較可能性を促進するのか。

10. 適用に関する決定事項が、継続して適切に実施されていることを確かめるために、どのように監視を行うか。
セクション2:モデリングの主要原則


GCCP報告書のこのセクションは、主に、新しい要求事項の適用に責任を負う、財務、リスク管理、ITの各担当者およびその他の幹部を対象にしています。このセクションでは、ECLの会計処理を行うにあたっての主要な構成要素をより詳しく検討しています。報告書は、以下について説明しています。
  • 「精緻化されたアプローチ」の一例
  • 「よりシンプルなアプローチ」に関する検討
  • 重要性次第では、基準に準拠しているとみなされない実務の事例
このセクションで扱われている領域は、以下のとおりです。
  • ECLの方法論:12か月ECLおよび全期間ECLを算定するための枠組み
  • 債務不履行:債務不履行の定義および規制上の定義との関係
  • 債務不履行確率(PD):PDの計算および規制上のPDとの関係
  • エクスポージャー:エクスポージャーの期間の決定および債務不履行時のエクスポージャーの計算
  • 債務不履行の場合の損失率(LGD):担保付および無担保エクスポージャーを含むモデリングの検討事項
  • 割引:実効金利と減損との相互関係
  • 段階的評価:信用リスクの著しい増大を決定する際の技法および検討事項
  • マクロ経済的な予測および将来予測的な情報:ECLの見積りへの異なる将来予測的な情報の組込み
どこで詳細な情報を入手できるか


本GPPC報告書は、PwCのオンライン会計情報の包括的リソースであるPwC Informから入手可能です。



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