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本資料は、In brief INT2015-15「ベネズエラの子会社の会計処理に関する検討事項」、およびIn brief INT2016-06「ベネズエラ企業の会計処理上の検討事項-2016年2月現在の最新情報」を置き換えるものです。
背景
ベネズエラ政府は、ここ数年間にわたり厳しい通貨管理体制を維持しています。多国籍企業は、ベネズエラの子会社から利益を送金する際に著しい困難に直面しています。為替レート、所定の為替レートでの送金可能額、および送金のタイミングについて重大な不確実性が存在します。また、経営者の意思決定におけるパワーを制限する可能性のある政府規制(すなわち、公正価格規制および労働法)も、引き続き高いレベルにあります。
ベネズエラの子会社の連結
一部では、送金の不確実性や困難が継続する場合に、多国籍企業は国際財務報告基準(IFRS)に基づきベネズエラ子会社の連結範囲からの除外を検討すべきかどうか、疑問が生じています。
多国籍企業は、IFRS第10号「連結財務諸表」に基づく支配の3要件をもはや満たさなくなった場合にのみ、ベネズエラ子会社を連結範囲から除外しなければなりません。利益送金の不確実性や為替の制限だけでは、IFRS第10号に基づく支配の喪失に該当する可能性は低いといえます。ただし、個々の状況は個別の実態に照らして対処する必要があります。
投資者は、投資者が次の各要素をすべて有している場合にのみ、投資先を支配しています[IFRS第10号第7項(a)-(c)]。
(a) 投資先に対するパワー
(b) 投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利
(c) 投資者のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用いる能力
1つまたは複数の支配の要素に変化があった場合、投資者は投資先を支配しているかどうかを再判定しなければなりません。
投資者が関連性のある活動を指図するパワーをもはや有しておらず、したがってリターンを変動させる能力を失う場合には、投資者は子会社の支配を喪失することになります。支配の喪失の判断はハードルが高いものです。企業がパワーを有する場合で、支配を有していないと判断するには、変動リターンに対するエクスポージャーを有していないことを証明しなければなりません。利益送金の困難性や為替レートの不確実性は、支配の喪失と同じものではありません。
これは、IFRS第10号B83項の「投資先に対してパワーを有している投資者は、投資者がリターンを受け取る権利を失うか、または義務にさらされなくなる場合には、投資先に対する支配を喪失することがある」という規定に基づくものです。
親会社がベネズエラの投資先における関連性のある活動を引き続き指図する場合、当該親会社はパワーの要件を満たしています。また、変動リターンに対するエクスポージャーを有している可能性も高いといえます。そのような変動リターンは、正の値と負の値のどちらにもなる可能性があり、またその性質は財務的なものに限りません[IFRS第10号B56項およびB57項参照]。
多国籍企業である親会社においては、企業ごとに状況が異なる可能性があります。各事例を慎重に検討する必要がありますが、現在の状況では、多国籍企業である親会社のほとんどは、保有するベネズエラ子会社を引き続き連結するものと考えられます。
親会社は、支配について重要な疑義が存在するかどうかを検討する必要があります。また企業は、支配の判定の際に行った重大な判断および仮定を説明するために何を開示すべきかを検討しなければなりません[IFRS第12号「他の企業への関与の開示」第7項]。さらに、企業は、資産ヘのアクセスまたは使用、および負債の決済を行う企業集団の能力に関する重大な制限を開示することが要求されます[IFRS第12号第13項]。
連結に関する過去の例外措置
過去のIFRSの連結ガイダンス(2003年に改訂されたIAS第27号)には、「親会社の子会社を支配する能力に重要な疑義が生じ得る、重大な外国為替の制限や支配、またはその他の政府が課す不確実性」など、多くの連結の例外措置が含まれていました。この例外措置はIFRSから削除されました。
超インフレ
ベネズエラは、超インフレ経済下にあり、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」を適用しなければなりません。2016年12月31日時点における超インフレ経済の国別リストについては、In brief INT2017-01「2016年12月31日現在の超インフレ経済」をご参照ください。またPwCは、今年の後半に2017年12月31日現在の超インフレ経済の国別リストを公表する予定です。
現金残高
経営者は、企業集団が現金残高を一般目的に利用できるかどうかに関して、ベネズエラにおける為替管理の影響をIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づき開示することも検討しなければなりません。
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