Expand
⇒オリジナルはInternationalサイト
【関連リンク】
概要
国際会計基準審議会(IASB)は、国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」に対する狭い範囲の修正を公表しました。当該修正には以下の2つの論点が含まれます。
  • どの金融資産を償却原価で測定できるか。当該修正は、特に一部の期限前償還可能な金融資産について、修正前のIFRS第9号に従った場合よりも多くの資産を償却原価で測定することを認めています。当該修正は、銀行およびその他の金融サービス企業に最も大きな影響を与えることが見込まれます。一般事業会社には概ね歓迎されるでしょう。
  • 金融負債の条件変更をどのように会計処理するか。当該修正は、それらの条件変更の大部分が結果として利得または損失の即時認識をもたらすことを確認しています。これは、国際会計基準(IAS)第39号に基づく現行の一般実務からの変更であるため、借入金の条件を変更したすべての業種の企業に影響を与えるでしょう。
すべての企業は、IFRS第9号の適用に向けたプロジェクトにおいて、どの資産および取引が影響を受けるか、または影響を受ける可能性があるかを識別しなければなりません。当該修正の適用には重要な判断が要求される可能性があるため、影響を受ける(可能性のある)資産および取引を早期に識別することをお勧めします。
負の補償を伴う期限前償還要素
論点
IASBは、IFRS第9号に対する狭い範囲の修正を公表し、企業が負の補償を伴う期限前償還可能な金融資産の一部を償却原価で測定できるようにしました。当該修正の影響を受ける資産(一部の貸付金および負債性証券等)は、IFRS第9号の修正がなかったならば、純損益を通じて公正価値(FVTPL)で測定されていたでしょう。
負の補償は、借手が契約条件により契約の満期前に金融商品を早期償還することを認められているものの、早期償還される金額が元本および利息の未払金額を下回る場合に発生します。しかし、償却原価測定に適格となるためには、負の補償1は「契約の早期終了に対しての合理的な補償」でなければなりません。
このような合理的な補償の一例は、関連するベンチマーク金利の変動の影響を反映した金額です。しかし、IFRS第9号では、「合理的な補償」が定義されていないため、このテストを満たすかどうかの評価には重要な判断が要求される可能性があります。
さらに、償却原価測定に適格となるためには、資産は「回収するために保有される」事業モデルで保有されていなければなりません。
影響
当該修正は、財務諸表作成者に歓迎される可能性が高いでしょう。実務では、以下に示すような、多くの種類の負債性金融商品に潜在的な負の補償を伴う期限前償還要素が存在します。
  • 期限前償還オプションが、偶発事象(トリガー・イベント)の発生(例えば、貸付金の担保の売却または価値の下落)を条件としている場合
  • 期限前償還オプションが、契約の一方の当事者のみまたは両当事者によって保有されている場合
  • 期限前償還が(特定の状況において)許容または要求されている場合
  • 期限前償還の算定額が異なる可能性のある場合。多くの場合、期限前償還が「契約の早期終了に対しての合理的な補償」であるテストを満たすかどうかの判定には判断が要求される。
発効日
当該修正は、2019年1月1日以後開始する事業年度から、すなわち、IFRS第9号の発効日よりも1年遅く適用されます。早期適用が認められているため、企業は、IFRS第9号を初めて適用するときに、当該修正を適用することができます。ただし、欧州連合(EU)域内の企業が早期適用する場合には、EUの承認を受けなければなりません。
金融負債の条件変更-IFRS第9号における会計処理の変更の確認
予想されていたとおり、IASBは、IFRS第9号の下で金融負債の条件変更の会計処理を確認しました。すなわち、償却原価で測定される金融負債が、条件変更されたものの認識の中止が生じない場合、利得または損失を純損益に認識しなければなりません。利得または損失は、当初の契約上のキャッシュ・フローと条件変更後のキャッシュ・フローとの差額を、当初の実効金利を用いて割り引くことにより計算されます。これは、すべての企業、特に、現在、IAS第39号に従って利得の認識と損失の認識に異なる方針を適用している企業に影響を与えます。 PwCのIn brief 「金融負債の条件変更-IFRS第9号では従来と異なる会計処理が必要」(2017年3月)をご参照ください。
_______________________________________________________________
1 すなわち、期限前償還の金額と元本と利息の未払金額との差額
Expand Expand
Resize
Tools
Rcl

Welcome to Viewpoint, the new platform that replaces Inform. Once you have viewed this piece of content, to ensure you can access the content most relevant to you, please confirm your territory.

signin option menu option suggested option contentmouse option displaycontent option contentpage option relatedlink option prevandafter option trending option searchicon option search option feedback option end slide