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日本基準トピックス 第487号
主旨
  • 2023年11月20日、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が、第212回国会(臨時会)において可決され、2024年4月から四半期報告書制度を廃止することが決定されています。具体的には、上場企業等の第1・第3四半期報告書が廃止され、第2四半期報告書が半期報告書に変更されます。
  • これを受けて、2024年3月27日、金融庁は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」等の改正(以下、「本改正」という)を公表しました。
  • 本改正は、当該四半期報告書制度の廃止に関する規定の施行に伴い、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)」、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(連結財務諸表規則)」および「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の関係政令・内閣府令等の規定の整備を行うものです。
  • 本改正は、四半期報告書制度の廃止にあわせて、2024年4月1日から施行されます。
  • 原文については、金融庁のウェブサイトをご覧ください。
本改正の概要
本改正の概要は以下の通りです。
1.半期報告書に含まれる中間財務諸表に関する規定の整備
(1)上場会社等の中間財務諸表(従前の四半期財務諸表に相当する中間財務諸表)
上場会社等(特定事業会社を除く)(注1)が提出する半期報告書に含まれる中間財務諸表について、本改正では、従前の「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(四半期財務諸表等規則)」および「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(四半期連結財務諸表規則)」の内容を基本的に引き継いでいます。なお、中間連結財務諸表を作成する場合は、中間財務諸表は不要とされています。
また、有価証券報告書および半期報告書の提出義務がある非上場会社(特定事業会社を除く)(注2)が提出する半期報告書に含まれる中間財務諸表についても、当該取扱いを適用することができます。
なお、本改正による半期報告書に含まれる中間財務諸表の作成初年度においては、比較情報の記載を免除する規定は設けられていないため、原則通り比較情報を表示することになります。
(2)それ以外の会社の中間財務諸表(従前の中間財務諸表に相当する中間財務諸表)
それ以外の会社が提出する半期報告書に含まれる中間財務諸表について、本改正では、従前の「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(中間財務諸表等規則)」および「中間連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(中間連結財務諸表規則)」の内容を基本的に引き継いでいます。なお、中間連結財務諸表を作成する場合でも、中間財務諸表が必要となります。
また、本改正では、(1)と(2)の中間財務諸表を区別するために、(1)を「第1種中間財務諸表」、(2)を「第2種中間財務諸表」と呼ぶこととしています(注3)。そのうえで、四半期財務諸表等規則や中間財務諸表等規則を廃止し、「第1種中間財務諸表」および「第2種中間財務諸表」に関する規定を、すべて財務諸表等規則に含めることとしています。従前の規則と本改正による規則の関係をまとめると、次の表の通りです。
内容
従前の規則
本改正における規則
本改正における
財務諸表の呼称(注3)
従前の(連結)財務諸表に関する規定
財務諸表等規則
連結財務諸表規則
財務諸表等規則
連結財務諸表規則
財務諸表
連結財務諸表
従前の四半期(連結)財務諸表に関する規定
四半期財務諸表等規則
四半期連結財務諸表規則
第1種中間財務諸表
第1種中間連結財務諸表
従前の中間(連結)財務諸表に関する規定
中間財務諸表等規則
中間連結財務諸表規則
第2種中間財務諸表
第2種中間連結財務諸表
(注1)金融商品取引法第24条の5第1項の表の第1号に掲げる会社であり、上場会社等のうち、特定事業会社(銀行、保険会社および信用金庫等)を除く会社。
(注2)金融商品取引法第24条の5第1項の表の第3号に掲げる非上場会社のうち、特定事業会社を除く会社。この会社は、原則として(2)の従前の中間財務諸表に相当する中間財務諸表を作成するが、(1)の従前の四半期財務諸表に相当する中間財務諸表を作成することもできる。
(注3)第1種、第2種は規則内の呼称であり、公表される中間財務諸表には第1種、第2種はつかない。ただし、経理の状況の冒頭において第1種または第2種の別を記載する。
半期報告書の提出会社と本改正による中間財務諸表の関係をまとめると、次の表のとおりです。
半期報告書の提出会社
本改正における財務諸表の呼称
上場会社等(特定事業会社以外)
第1種中間(連結)財務諸表
上場会社等(特定事業会社)
第2種中間(連結)財務諸表
非上場会社(特定事業会社以外)
原則として第2種中間(連結)財務諸表
ただし第1種中間(連結)財務諸表も可
非上場会社(特定事業会社)
第2種中間(連結)財務諸表
2.半期報告書に関するその他の規定の整備
本改正は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等についても、所要の改正を行っています。
3.臨時報告書の提出事由の追加
本改正は、2022年12月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、直近の有価証券報告書の記載内容から重要な変更があった場合に四半期報告書において開示が求められてきた事項については、臨時報告書の提出事由とすることが考えられるとされたことを踏まえ、以下の事項について、臨時報告書の提出事由に追加しています。
・「企業・株主間のガバナンスに関する合意」の締結・変更(重要性の乏しいものを除く)
・「企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意」の締結・変更(重要性の乏しいものを除く)
4.有価証券届出書における四半期財務諸表等の記載
有価証券の募集または売出しのための有価証券届出書を事業年度末から一定期間経過後に提出する場合、従来、四半期報告書を提出する会社においては直近の四半期財務諸表を記載するとされていたところ、本改正では、半期報告書を提出する会社においては直近の中間財務諸表を記載することとされました。
そのうえで、金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成している場合(例えば、四半期決算短信に四半期財務諸表を添付している場合)は、直近の四半期累計期間に係る四半期財務諸表を併せて記載することができるとしています。当該取り扱いは、上場(IPO)時に四半期決算短信を開示する予定であり、金融商品取引所の定める規則に準じて四半期に係る財務情報を作成している場合にも適用可能とされています。また、提出会社が非上場会社で社債発行等を行う場合も、上場会社等に準じて任意に四半期に係る財務情報を記載することが可能とされています。
適用時期
本改正は、四半期報告書制度の廃止にあわせて、2024年4月1日から施行されます。なお、四半期報告書制度の決算期(3月決算、12月決算、2月決算など)に応じた廃止時期や、第1種中間財務諸表に適用される「中間財務諸表に関する会計基準」等については、以下の日本基準トピックスも参照ください。
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