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2018/08/02 FASBの新しい信用損失基準に関する最新動向 【速報解説】
公表日: 2018年08月02日
jp 速報解説（In brief）
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要点
FASBの修正案は、非公開企業に対し、現在信用損失（CECL）モデル適用のための猶予期間を提供しようとするものです。また、FASBとSECのスタッフは、後発事象のガイダンスとCECLとの相互関係に関する知見を提供しました。
最新の動向
オペレーティング・リース債権
米国財務会計基準審議会（FASB）は、2018年7月25日の審議会において、会計基準アップデート（ASU）2016‐13「金融商品－信用損失」（以下、「本ASU」）に対する修正を提案しました。この修正は、貸手が計上するオペレーティング・リース債権がASUの適用範囲から明示的に除外されることを明確にするものです。
非公開企業の経過措置および発効日
また、FASBは、非公開企業（non-public business entities）に関して、本ASUの発効日を変更する提案も行いました。その結果、非公開企業は、2021年12月15日より後に開始する事業年度および当該事業年度に含まれる期中報告期間に本ASUの適用を要求されることになります。これにより、12月決算の非公開企業は、2022年1月1日時点で本ASUの適用および利益剰余金の期首残高の調整を行うことになります。
後発事象
FASBスタッフおよび米国証券取引委員会（SEC）の主任会計官室のスタッフの代表が、現在予想信用損失（CECL）モデルに関連するいくつかの特定の状況における、会計基準コード化体系（ASC）855「後発事象」の適用に関する見解を合同で公表しました。
例１
A社は、自社の貸付金ポートフォリオ管理の支援のため、第三者であるサービサーを利用しています。このサービサーは、A社の貸付金ポートフォリオにおける延滞および期限前返済に関する月次報告書を提供して、この情報がA社の貸付金にかかる予想信用損失見積りの主要なインプットとなります。A社は、サービサーによる11月分の報告書に含まれる延滞と期限前返済についての情報に基づいて、12月31日（貸借対照表日）時点で見積りを行います。A社は、サービサーによる12月分の報告書を1月に受け取ります。12月分の報告書は、11月分の報告書とは延滞のレベルが大幅かつ予想外に変動したことを示していました。
SECおよびFASBのスタッフは、A社による12月31日現在の予想信用損失の見積りにおいては、貸借対照表日後であるが財務諸表の公表日（または公表可能となった日）よりも前に受け取ったサービサーの報告書の情報を考慮しなければならないと指摘しました。
例2
B社は、信用損失の見積りを作成し、関連する貸付金担保の現時点の価値の見積りと潜在的な将来価値の両方を考慮します。B社は、1月に不動産の最新の鑑定評価を受け取ります。この鑑定評価は、特にいくつかの個別に重要な不動産について、予想と大幅に異なっていました。
SECおよびFASBスタッフは、B社による12月31日現在の予想信用損失引当金の見積りにおいては、貸借対照表日後であるが財務諸表の公表日（または公表可能となった日）よりも前に受け取った担保価値の情報を考慮しなければならないと指摘しました。
例3
失業率はC社の予想信用損失の見積りにおける主要なインプットです。12月の失業率の見積りは、米国政府によって1月に公表されます。1月に公表された12月の失業率は、C社が12月31日（C社の貸借対照表日）現在で入手可能な情報に基づいて予想した失業率を大幅に上回っていました。
SECおよびFASBのスタッフは、C社による12月31日現在の予想信用損失の見積りにおいて、1月に公表された12月の失業率を考慮することは可能であるが、要求はされないという考えを表明しました。
なぜ重要か
本ASUに対する修正案は、基準の適用範囲を明確にするとともに、非公開企業に対して本ASUの適用のための追加的な猶予期間を提供するものです。
FASBとSECのスタッフが共有した見解は、予想信用損失モデルによる見積りに対して、後発事象のガイダンスを適用する際の明確化に役立ちます。
次のステップ
FASBは、オペレーティング・リース債権および非公開企業の発効日に関連する本ASUの修正について、公開草案を公表する予定です。コメント期間は30日間の予定です。
PricewaterhouseCoopers LLP
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