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2023/11/07 欧州サステナビリティ報告基準（ESRS）が最終化【速報解説】
公表日: 2023年11月07日
jp 速報解説（In brief）
⇒原文（英語）はこちらへ
要点
欧州サステナビリティ報告基準（ESRS）が承認され、企業サステナビリティ報告指令（CSRD）の要求に応じて2024年1月1日から適用されます。
論点
2023年7月末、セクター横断的なESRSの委任法が欧州委員会（EC）によって採択されました。欧州議会およびEU理事会には、2カ月間（さらに2カ月延長可能）の委任法に異議を唱えることができる審議期間がありました。2カ月間の審議期間の延長は行われず、2023年10月21日に終了しました。セクター横断的なESRSはEU官報に掲載され、CSRDとともに2024年1月1日から適用されます。
適用日
ESRSは、CSRDの範囲に含まれる企業に適用されます。適用開始（CSRDの定義による）はさまざまですが、2024年度（2025年に報告）から開始されます。企業がいつ報告を開始する必要があるかは、多くの異なる要因（規模、上場しているか否か、親会社はEUに拠点を有しているかどうか）によって決まります。
次のステップ
ECは、報告の負担を低減するため、報告要求事項を25％削減することを目指しています。削減するために、以下のいくつかの対策が実施される予定です。
- セクター別ESRS基準および特定の第三国事業体に対する基準の採択を、2026年6月30日（当初は2024年6月）まで延期する提案（リンクはこちら）。この取組みにより、企業は、セクター横断的な基準の適用に注力することができます。
- 零細、小規模、中規模、大規模の事業体またはグループの規模に関する規準を調整する委任指令（リンクはこちら）。閾値を25％引き上げる本提案は、インフレの影響を考慮に入れたものであり、CSRDの範囲に含まれる企業に影響を与えます。中規模および大規模の事業体に関する閾値は、それぞれ以下のようになります。
- 貸借対照表計上額：25百万ユーロ（従来は、20百万ユーロ）
- 純売上高：50百万ユーロ（従来は、40百万ユーロ）
- 総従業員数：250人（変更なし）
これらの閾値は、国内法制化時にさらに調整される可能性があります。
- さらに、ECは報告要求事項の合理化に関するエビデンス要請を公表（リンクはこちら）。この取組みは、作成者および第三者に対し、政策目標を損なわずに削除または合理化が可能なEU法令における既存の報告要求事項を特定することを要求するものです。
さらに、EFRAGは、下記を含む2024年度作業計画（リンクはこちら）を公表しました。
- ESRS XBRLタクソノミー：2024年第1四半期に、EFRAGはESRSのXBRLタクソノミーを協議のため公表し、2024年下期にEUに最終勧告を行う予定。ESMAは、その後、デジタル化に関する最終規則および発効日に関する協議を行う予定。
- セクター別基準：2025年初頭に、セクター別基準の最初のセットが公開協議のために入手可能となり、それには石油・ガス、鉱業、採石業、石炭が含まれる予定。また、EFRAGは、2023年第4四半期に、金融機関（銀行、保健および資本市場）を対象とした3つの基準の基準設定調査プロセスを開始する予定。
- 上場中小企業（SME）向けESRS：2024年初頭に、EFRAGは、上場SME（強制）および非上場SEM（任意）対象のESRSに関する公開草案を公表する予定。
さらに、EFRAGは、ESRSの適用を支援するための3つの適用ガイダンス文書の草案を作成しています。これらの文書は、ダブルマテリアリティ評価、バリューチェーンをカバーしており、すべてのESRSデータポイントの包括的なリストを提供します。これらは、11月に協議のために公表予定であり、2024年初頭に最終版がリリースされる予定です。
最後に、EFRAGは、2023年10月24日、作成者やその他のステークホルダーのESRS適用を支援するための、適用に関する技術的な質問を受け付けて回答する、ESRS Q&Aプラットフォームの立ち上げを発表しました。
詳しい情報
EUにおける最近のサステナビリティ報告の取組みについては、以下をご覧ください。
PricewaterhouseCoopers LLP
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