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2022年12月31日現在で公表されている新基準、新解釈指針および改訂基準(以下、基準等)について、次の(a)と(b)の2つのセクションでそれぞれ該当する基準等をまとめています。
(a)2022年1月1日以後に開始する事業年度に適用となる新基準等
(b)2023年1月1日以後に発効となる基準等(未発効基準等)-基準等は公表されているものの、2022年12月31日に終了する事業年度に強制適用されない基準等
(a) 2022年1月1日以後に開始する事業年度に適用となる新基準等
公表日
タイトル
重要な要求事項
発効日 *
PwC速報解説
2020年5月14日
意図した使用の前の収入-IAS第16号「有形固定資産」の修正
IAS第16号の修正は、企業が意図した使用のために資産を準備している間に生産された物品の販売による収入を、有形固定資産の取得原価から控除することを禁止している。また、本修正は、企業が資産の技術的および物理的な性能を評価する時点を、「当該資産が正常に機能しているかどうかの試運転をしている」時点と明確にしている。この評価には、当該資産の財務業績は関係ない。
企業は、企業の通常の活動のアウトプットでない生産項目に関連する収入および費用の額を区分して開示しなければならない。
2022年1月1日
2020年5月14日
「財務報告に関する概念フレームワーク」への参照-IFRS第3号「企業結合」の修正
「財務報告に関する概念フレームワーク」に対する参照の更新と、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」及びIFRIC第21号「賦課金」の範囲に含まれる負債及び偶発負債の認識に関する例外規定の追加のため、IFRS第3号に重要ではない修正が加えられた。また、本修正は、取得日に偶発資産を認識すべきでないことを明確にした。
2022年1月1日
2020年5月14日
不利な契約-契約履行のコスト-IAS第37号の修正
IAS第37号の修正は、契約履行の直接コストには、契約履行の増分コスト、および契約履行に直接関連するその他のコストの配分が含まれることを明確化した。また、企業は、不利な契約に対する別個の引当金を認識する前に、契約の履行に使用した資産に生じた減損を認識する。
2022年1月1日
2020年5月14日
IFRS基準の年次改善 2018-2020年
2020年5月に次の改善が行われた。
  • IFRS第9号「金融商品」-どの手数料を金融負債の認識の中止に関する10%テストに含める必要があるかを明確にした。
  • IFRS第16号-リース・インセンティブの取扱いに関する混乱の可能性を取り除くため、IFRS第16号の設例13を修正し、賃借設備改良に関連した貸手からの支払の例示を削除した。
  • IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」-資産及び負債を親会社の連結財務諸表上の帳簿価額で測定していた企業が、換算差額累計額についても親会社によって報告されている金額を用いて測定することを認めている。また、本修正は、IFRS第1号の同じ免除規定を適用する関連会社および共同支配企業にも適用される。
  • IAS第41号「農業」-IAS第41号を適用して公正価値を測定する際に企業は課税のキャッシュ・フローを除外するという要求事項を削除した。本修正は、税引後ベースでキャッシュ・フローを割引くというIAS第41号における要求事項と整合させることを意図している。
2022年1月1日
*所定の日付以後に開始する報告期間に適用
b 2023年1月1日以後に発効する基準等(未発効基準等)
基準および解釈指針は公表されているものの、2022年12月31日に終了する事業年度に強制適用されない基準等となります。いずれも早期適用が可能です。
直近に公表された基準等の情報は、PwCのウェブサイトhttps://viewpoint.pwc.com/ を参照ください。
公表日
タイトル
重要な要求事項
発効日 *
PwC速報解説
2017年5月18日
IFRS第17号「保険契約」
IFRS第17号は、IFRS第4号「保険契約」を置き換える基準として、2017年5月に公表された。IFRS第17号は、現在測定モデルを適用して各報告期間に見積りを再測定することを要求している。契約は、以下で構成されるビルディング・ブロックに基づいて測定される。
  • 確率加重された割引後キャッシュ・フロー
  • 明示的なリスク調整
  • カバー期間にわたり収益として認識される契約の未稼得利益を表す契約上のサービス・マージン(CSM)
IFRS第17号は、割引率の変動を損益計算書またはその他の包括利益のいずれかに認識する選択を認めている。この選択は、保険会社がIFRS第9号に基づき金融資産をどのように会計処理するかを反映するものとなる可能性が高い。
損害保険会社が引き受けることの多い短期契約の残存カバー期間に係る負債については、簡素化された手数料配分アプローチを任意で適用することが認められている。
基礎となる項目から生じる収益に対して保険契約者が持分を有する、生命保険会社によって引き受けられる一部契約について、一般モデルの修正である、「変動手数料アプローチ」と呼ばれるアプローチがある。この変動手数料アプローチを適用する場合、基礎となる項目の公正価値の変動に対する企業の持分は、契約上のサービス・マージンに含まれる。そのため、このモデルを使用する保険会社の業績は、一般モデルに基づくよりも変動性が低下する可能性が高い。
この新基準は、保険契約または裁量権のある有配当性の投資契約を発行するすべての企業の財務諸表および主要な業績指標に影響を与えると考えられる。
2020年6月に行われた狭い範囲の修正は、IFRS第17号の適用のコストを低減し、企業が投資家などに同基準書の適用の結果を説明しやすくすることによって適用の負担緩和を目指したものである。また、本修正は、IFRS第17号の適用日を2023年1月1日に延期した
2023年1月1日
2021年12月9日
IFRS第17号とIFRS第9号の適用開始-比較情報
2021年12月に行われたさらなる修正は、IFRS第17号の適用開始時に表示する比較期間において任意の分類の上書きの適用を認める経過措置の選択肢を追加した。この分類の上書きは、IFRS第17号の範囲に含まれる契約と関連がない活動に関して保有されている金融資産を含む、すべての金融資産に適用される。これらの資産は、比較期間において、IFRS第9号「金融商品」の適用時に当該金融資産の分類について企業が想定する方法と整合するように分類することが認められる。当該分類は金融商品ごとに適用することができる。この分類の上書きは、すでにIFRS第9号を適用している企業、またはIFRS第17号と同時にIFRS第9号を適用する企業が適用可能である。
IFRS第17号は、本修正も含めて2023年1月1日から適用される。
2020年1月23日
負債の流動又は非流動への分類-IAS第1号の修正(「2020年修正」)
IAS第1号の狭い範囲の修正は、報告期間末日現在に存在する権利により、負債を流動または非流動のどちらに分類するのかを明確にした。この分類は、企業の期待または後発事象(例:権利の放棄の受領または財務制限条項の違反)による影響を受けない。また、本修正は、IAS第1号が負債の「決済」と言及しているのはどのような場合なのかについても明確にしている。
本修正は、これまで分類の決定に経営者の期待を考慮していた企業、また資本に転換される可能性のある一部の負債の分類に影響を及ぼす可能性がある。 本修正は、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の通常の要求事項に基づき、遡及適用しなければならない。
2020年7月、IASBは、本修正の発効日を2023年1月1日に延期していた。
2024年1月1日
2022年10月31日
特約条項付の非流動負債-IAS第1号の修正(「2022年修正」)
2022年10月に公表されたIAS第1号の修正は、2023年以後開始する事業年度に適用予定だった「負債の流動又は非流動への分類」(2020年修正)の適用に関して提起されていた懸念に対処したものである。この新たな修正は、負債の決済を延期する企業の権利が、報告期間後12か月以内に特約条項を遵守することを条件としている場合に、企業が提供する情報を改善することを目的としており、追加的な開示要求事項を導入している。企業が、融資契約から生じた負債を非流動に分類し、その負債について企業が報告日の12か月以内に特約条項を遵守することが要求されている場合、企業は、当該負債が報告期間の12か月以内に返済すべきものとなる可能性があるというリスクを財務諸表利用者が評価できるようにする情報を注記において開示しなければならない。これには次の情報が含まれる。
  • 負債の帳簿価額
  • 特約条項に関する情報
  • 企業が特約条項を遵守することが困難となる可能性があることを示唆する事実および状況(ある場合)。そのような事実および状況には、報告期間の末日現在の状況に基づいて企業が特約条項を遵守していないという事実が含まれる可能性がある。
2022年修正は、2020年修正の発効日を変更しており、2020年修正および2022年修正は、2024年1月1日から適用される。そのため、通常、企業は2024年1月1日まで引き続き現行のガイダンスを適用することになる。
両修正の発効日を揃えた結果として、2024年に両修正が発効する際には、2022年修正が2020年修正の要求事項を置き替えることになる。
2021年2月12日
会計方針の開示-IAS第1号「財務諸表の表示」及びIFRS実務記述書第2号「重要性の判断の行使」の修正
IASBは、「重要な(significant)」会計方針ではなく、「重要性がある(material)」会計方針情報を開示することを企業に求めるため、IAS第1号を修正した。さらに、本修正は、重要性がない会計方針情報を開示する必要がないことを明確化している。ただし、そのような情報を開示する場合には、重要性がある会計方針情報を覆い隠すことがあってはならない。
本修正を支援するため、IASBはIFRS実務記述書第2号を修正し、重要性の概念を会計方針の開示に適用する方法についてのガイダンスも提供している。
2023年1月1日
2021年2月12日
会計上の見積りの定義-IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の修正
IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の修正は、企業が会計方針の変更を会計上の見積りの変更とどのように区別すべきかを明確化している。会計上の見積りの変更は、将来の取引及びその他の事象を対象として将来に向かって適用されるが、会計方針の変更は、通常は、当期及び過去の取引及びその他の事象を対象として遡及適用されるため、この区別は重要である。
2023年1月1日
2021年5月10日
単一の取引から生じる資産及び負債に関連する繰延税金-IAS第12号「法人所得税」の修正
IAS第12号「法人所得税」の修正は、企業に対し、当初認識時に同額の将来加算一時差異及び将来減算一時差異が生じる取引について繰延税金を認識することを要求している。本修正は、通常、借手にとってのリースや廃棄債務などの取引に適用され、追加的な繰延税金資産及び繰延税金負債の認識が要求されることになる。
本修正は、表示されている最も古い比較期間の期首時点以降に発生した取引に適用すべきである。さらに、以下に関連するすべての将来減算一時差異及び将来加算一時差異について、表示されている最も古い比較期間の期首に繰延税金資産(利用できる可能性の高い範囲内で)及び繰延税金負債を認識すべきである。
  • 使用権資産及びリース負債
  • 廃棄、原状回復及び類似の負債ならびにそれらに対応して関連資産の取得原価の一部として認識された金額
これらの修正の認識による累積的影響は、利益剰余金又は、適切な場合にはその他の資本の構成要素で認識される。
これまで、IAS第12号は財政状態計算書に計上されるリース及び類似の取引の税効果の会計処理方法を取り上げておらず、多様な方法が容認可能とみなされていた。一部の企業では、このような取引をすでに新たな要求事項に整合する方法で会計処理している可能性がある。このような企業には本修正の影響はない。
2023年1月1日
2022年9月22日
セール・アンド・リースバック-IFRS第16号「リース」の修正
IFRS第16号「リース」の修正は、セール・アンド・リースバック取引について、取引後にどのように会計処理するかを説明する要求事項を追加するものである。
本修正は、企業がセール・アンド・リースバックを取引日より後にどのように会計処理するかを説明している。本修正の影響を受ける可能性が最も高い取引は、リース料の一部またはすべてが指標またはレートに応じて決まるものではない変動リース料であるセール・アンド・リースバック取引となる。
2024年1月1日
* 所定の日付以後に開始する報告期間に適用
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